マツダらしい「人馬一体感」を味わえるFF系スポーティセダンの真骨頂【MAZDA6試乗記】

■2.5Lガソリンターボは、爽快な加速フィールが味わえる

2019年8月1日に発売されたMAZDA6は、マイナーチェンジでアテンザから改名されたモデルです。同社の最上級セダン、ステーションワゴンという立ち位置は変わっていません。

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MAZDA6(セダン)のフロントビュー

MAZDA6(セダン)は、全長4865×全幅1840×全高1450mm、ホイールベース2830mmというサイズで、FFのDセグメントでは、新型にスイッチしたばかりのホンダ・アコード、トヨタ・カムリ、日産ティアナなどがあります。また全長4.8mと少し短めで、AWDではありますが、SUBARU B4も同セグメントに入るといえるでしょう。輸入車もアウディA4、プジョー508といったFF系モデルがあります。

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MAZDA6のサイドビュー

輸入車やスポーティな走りを謳ったFRモデルはともかく、とかくFF系セダンは、「おじさん御用達のクルマ」という印象を抱かせるモデルも確かにあります。

しかし、好き嫌い、好みは別にして、「鼓動デザイン」を掲げるMAZDA6は、欧州車のようなスタイリッシュなフォルム、スマートでありながら少しグラマラスな雰囲気も漂います。ホンダ・アコードやトヨタ・カムリが北米市場を主戦場とするだけあって、何となく彼の地のムードをたたえていますが、見比べると(あくまで個人的には)MAZDA6はヨーロピアンな印象を受けます。

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MAZDA6の2.5Lガソリンターボ

さて、2019年8月の車名変更時に加わった2.5Lガソリンターボの「SKYACTIV-G 2.5T」は、アクセルレスポンスの良さと、4.0L V8自然吸気ガソリンエンジン並みのトルクなどを自慢としています。

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MAZDA6のリヤビュー

1570kgという車両重量(25t S Package)に対して、230PS/4250rpm・420Nm/2000rpmというエンジンスペックからも分かるように、踏めばわずかなターボラグの後に即反応するレスポンスの良さは、ディーゼルエンジン車とは、ひと味違った爽快な加速フィールを伴います。

街中では、オルガン式ペダルの操作フィールもあって、発進時からの「飛び出し感」も少なく、スムーズなスタートが可能で、またアクセルをそれほど踏み込まなくてもリニアに速度が高まりますから、ジェントルな走りを引き出せます。

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MAZDA6のインパネ

一転して高速道路や山岳路で右足を踏み込めば、先述したようなガソリンターボらしいパンチ力のある加速を容易に引き出せます。しかも、大きさを感じさせないフットワークの高さ、ライントレース性の高さも美点。タイトなコーナーが続くワインディングでも運転が上手くなったかのような一体感が味わえます。

ボディサイズや重量、パワートレーン、シャーシなどの違いにより、フィーリングはもちろん違いますが、ロードスターが身上とする「人馬一体感」は、この大きなセダンからも伝わってくるのは大きな特徴といえるでしょう。

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MAZDA6のフロントシート

セダンらしく、CX-5やCX-8などのSUVと比べると、乗り心地や静粛性の面では一枚上手。一方で、非常に静かなカムリや新型アコードなどのライバルと比べると、少しだけ物足りなさを覚えるかもしれません。それでも、意のままに、運転しているという感覚は濃厚で、MAZDA6の長所といえるかもしれません。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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