■前後2カメラタイプが人気で、税抜き平均価格は19,100円と21%上昇
マーケティングリサーチのGfK Japanは「2019年 ドライブレコーダー販売動向(アフターマーケット)」を発表しました。
あおり運転などの危険運転に関する報道が多くなると販売台数が増える傾向にあり、2019年もドライブレコーダー市場は以前から引き続き拡大しているそうです。
GfK Japanは、全国のカー用品店、家電量販店、インターネット通販などの販売実績を基に、国内アフターマーケットにおけるドライブレコーダーの販売動向を発表しました。
2019年のドライブレコーダー販売台数は前年比27%増の177万台で、伸張しています。とくに、危険運転に関する報道が相次いだ8月、消費増税直前の9月に販売が急伸したそう。人気のタイプは、前後カメラや360度カメラを搭載した高機能なモデルで、こうしたドライブレコーダーが市場を牽引。
先述したように、2019年の国内アフターマーケットにおけるドライブレコーダー販売台数は、前年比27%増の177万台となりました。
平均価格も上昇しています。機能や性能の高いモデルが拡大した結果、税抜き平均価格は19,100円と前年から21%上昇し、金額前年比は53%増を記録したとしています。
月別の販売台数では、8月は前年の1.7倍、9月は同2.6倍と急伸。2019年8月は、常磐自動車道で発生したあおり運転殴打事件など危険運転に関する報道が相次いたことでドライブレコーダーの需要が高まったと同社では分析しています。また9月は、翌月に消費増税が控えていて、増税直前の駆け込み需要をうけて大きく伸長。
■前後カメラ搭載モデルが48%を占める
機能面では、前後カメラなど、複数のカメラの搭載やレンズの広角化が進んでいます。2つのカメラがセットとなった前後カメラ搭載モデルの販売台数は、前年の3.7倍と大幅に拡大。数量構成比では、前年から30%ポイント上昇し、48%を占めたそうです。
また、2017年に登場した360度撮影可能なモデルも徐々に販売を伸ばし、数量構成比で5%になっています。車両の後方からの接近や横からの幅寄せなど様々な角度を記録できるという点が支持されていると分析しています。
動画記録画素数は、フルHD(200万画素相当)以上が販売台数の9割を占めていて、主流になっています。より高精細な370万画素以上の数量構成比は、前年の1%から8%まで拡大。また、日没後の暗い環境での記録に適した夜間撮影機能搭載モデルの数量構成比は、前年から12%ポイント拡大の87%になっています。
こうした、高機能化、高性能化は続くと予想され、GfK Japanでは、初期モデルからの買い替え需要といった市場浮揚要因も期待されるとしています。
高機能化、高性能化の一方で、足元の販売をみると、2019年12月以降3か月連続で前年の販売台数を下回っていて、ここ数年間著しい伸長を記録してきたドライブレコーダー市場の成長は、踊り場を迎えています。
今後は、認知度向上に加えて、ドライバー自身のプライバシー保護などに対する懸念を払拭し、購入障壁を下げることができるかという点も市場拡大を左右する重要な要素になると分析しています。
急速に普及しているドライブレコーダーは、アフターマーケットだけでなく、メーカーやディーラーオプションなどの純正品も拡充しているはずで、商用、乗用を問わず欠かせないアイテムになりつつあります。それでも、まだ装着していないクルマも多く、GfK Japanが指摘しているように、市場拡大を維持するには、認知度向上も必要になりそうです。
(塚田勝弘)