■細かな一部改良で、3列クロスオーバーSUVとしての使い勝手を向上
フルモデルチェンジ、マイナーチェンジだけでなく、年次改良などのきめ細かい改良を重ねているのがマツダ。新鮮なモデルを絶えず販売店に並べているのが近年のマツダの戦略です。
2019年10月に3列シートクロスオーバーSUVのCX-8を、同年12月にCX-5の商品改良を発表したマツダ。両モデル共にかゆいところに手が届く改良が施されています。
こちらでは、11月28日に発売された最新のCX-8についてご紹介します。まず、パワートレーンでは、2.5L NAガソリンにAWD(4WD)を、2.5LターボにFFを追加することで、すべてのガソリンエンジンモデルにおいてFF、4WDから選択できるようになっています。
CX-8の一部改良の狙いは、3列シートクロスオーバーSUVとしての使い勝手の向上。最上級グレードの「L Package」の2列目ベンチシートにワンタッチウォークインスイッチが追加されています。
さらに、「L Package」にナッパレザーを使ったウォークスルータイプのキャプテンシートが追加されています。このウォークインスルータイプには、リヤコンソール背面にカップホルダーとUSBが設定されています。USBは一部改良のサードシートにも加わっていて、計6人分のUSBを用意。ワンタッチ式ウォークインスイッチにより、3列目の乗降性が改善し、子どもでも操作できるようになるなど、実用性が向上しています。
シート関連では、「25S PROACTIVE」「XD PROACTIVE」「XD PROACTIVE S Package」に2列目シートヒーター(左右席)が採用されています。これにより「L Package」までの全グレードで6人乗り/7人乗りが選択できるようになっています。
さらに、「XD S Package」にブラックレザーシートが設定されるなど、好みに応じたインテリア仕様の選択ができるようになったのも朗報。
ラゲッジでは、床下収納の容量を拡大がトピックス。BOSEなし仕様は65Lから84Lに、BOSE装着仕様は48Lから56Lに増えています。これにより、機内持ち込みサイズのスーツケースが4つ積載できるようになるなど積載力を向上。キャンプなどのアウトドアや各種アクティビティを楽しむ層だけでなく、床下に工具や洗車用品がより多く積めるなど、日常時の使い勝手が高まっています。
そのほか、電動スライドガラスサンルーフを一部グレードに設定。こちらは、開閉とチルトアップが可能で、車内の明るさ、開放感が高まるアイテムです。
新グレードも追加されています。先述の「XD PROACTIVE S Package」がそれで、ブラックのレザーシート(6人/7人乗り)、運転席&助手席シートヒーター&ベンチレーション、フレームレス仕様の自動防眩ルームミラー、7インチマルチスピードメーター(TFTカラー)などが用意されています。
こうした細かな改良により実用性が高まり、2019年の国内3列シートSUVで販売台数ナンバー1になったCX-8の商品性も着実に高まっています。
(文/塚田勝弘 写真/長野達郎)