■SUVタイヤはスタッドレスと名乗らないこともあるのだ
最近はSUVを乗る人もグッと増えてきて、昔でいえばセダンやステーションワゴンのようにSUVが普通に使われています。
そうしたなかでSUVに乗る人も当然、必要な状況となるとスタッドレスタイヤを選ぶと思うのですが、じつはSUV用のタイヤのなかにはスタッドレスタイヤであることを謳っていないものも存在します。
今回、グッドイヤーのウインター試乗会で乗った「ラングラー デュラトラック」もそうしたタイヤの1つです。事実、グッドイヤーのホームページでも「ラングラー デュラトラック」はオン/オフロード用の夏タイヤと紹介されているのですが、グズグズのシャーベット状スノー路面でも、しっかりとしたグリップを発揮、アクティブに走ってくれました。
グッドイヤーのSUVタイヤにおけるラングラー デュラトラックの位置試乗会で「ラングラー デュラトラック」が装着されていたのはランドクルーザープラドなので、もともとクロスカントリー性能などが高いモデルです。しかし、こうしたモデルでも雪道ではグリップしないタイヤを履いた場合は、走りにはかなり苦労するものです。
今回、装着車を実際に雪道を走らせた感覚では、しっかりとしたグリップを発揮してくれて、発進も停止もコーナリングも扱いやすいタイプという印象。コーナリングで限界を超えて滑り出したときも、コントローラブルで雪道性能は高いです。
グッドイヤーでも夏タイヤとされている「ラングラー デュラトラック」ですが、じつはスタッドレスタイヤ同様に雪道走行が可能なスノーフレークマークが刻印されています。SUVタイヤなので、もともとM+S(マッド&スノー)マークが刻印され泥ねい路や雪道の走行も可能とされています。しかしこのM+Sマークだけでは走行が許されない場合もあります。
そこで求められるのがM+Sマークに加えて、スノーフレークマーク(山のイラストのなかに雪マークがあるアイコン)が付いていることです。
タイヤ選びのときは「スタッドレスタイヤ」や「オールシーズンタイヤ」「サマータイヤ」という言葉だけでなく、タイヤに刻印されているマークをきちんと読み取る必要があります。
すでにスノーフレークマーク付きのタイヤを装着し性能も確保されているのに、スタッドレスと言われていないからタイヤを買い足してしまった……はちょっともったいないですものね。
(文・諸星陽一/写真・角田伸幸、諸星陽一)