エンジン駆動のモデルに搭載されるベーシックなパートタイム4WDとインテリジェント4×4【日産インテリジェントスノードライイブ2020】

■力強く雪をかき分けるキャラバンと雪を制するエクストレイル

北海道江別市で開催された2020年の日産のスノードライブでは、例年同様にさまざまなクルマが用意されました。今回は基本駆動がエンジンとなるモデル2車種をピックアップ、それぞれの特徴を紹介します。

NV350走り
ディーゼルターボの大トルクで力強く走るNV350
NV350走り2
2WDにするとリヤを滑らせながら走るNV350

まず最初に紹介するのはNV350キャラバンです。搭載される2.5リットルの直4直噴ディーゼルターボは129馬力/356Nmのスペックを持ちます。組み合わされるミッションは5速のATで、駆動方式は後輪駆動ベースのパートタイムの4WDを採用します。

試乗は定常円コースで行いました。最初に4WDの状態で定常円を描いていきます。4輪にトルクが分散されるので駆動力はしっかりと伝わるのですが、アンダーステア傾向が強くなりアクセルを踏むとクルマが外側に膨らみやすい傾向にあります。駆動方式を2WD(FR)に切り替えるとオーバーステア傾向になり外側への膨らみは抑えられますが、駆動トルクは抜け気味となってしまいます。

NV350 エンブレム
他人と同じクルマは嫌ということで選ばれることも多いNV350

一方、もう1台のモデルはエクストレイルです。エクストレイルのエンジンは2リットルの直噴ガソリンで147馬力/207Nmのスペックを持ちます。駆動方式はインテリジェント4×4という4WD方式となります。

エクストレイルのインテリジェント4×4はロックモード、2WDモード、オートモードが存在します。このうちオートモードにすると前後駆動力配分が100対0~50対50まで変化します。つまりキャラバンで4WD-2WDを切り替えていたのをクルマ側で自動的にしかも細かく制御してくれるようなもので、駆動力を上手に前後に振り分けることで駆動とハンドリングを両立させています。

エクストレイル外観
シリーズ終了間近だが、熟成され良好なフィーリングのエクストレイル
インテリジェント4WD説明
インテリジェント4WDはその名のとおり、地的な走りができる

エクストレイルの試乗は定常円コースではなく、試乗コース周辺の一般道だったのですが、オートモードで走行すると何も考えずにどんどん走っていける印象です。「インテリジェントエンジンブレーキ」という機構もプラスされます。これはコーナーなどのブレーキング時にエンジンブレーキを積極的にプラスすることでブレーキの負担を減らすというもの。イメージとしては電動系のワンペダルが追加された感じです。

また、エクストレイルには「インテリジェントライドコントロール」と言われる制御デバイスも追加されます。これはボディの上下を予測し、エンジントルクやブレーキを制御して、ボディの揺れを抑えるものです。実感するシチュエーションはありませんでしたが、エクストレイルの乗りやすさはこうしたところにも由来するのでしょう。

(文・諸星陽一/写真・小林和久、日産自動車)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
続きを見る
閉じる