ノンストップじゃないけど一旦停止すればOK。神奈川県の有料道路で新型ETC社会実験のモニターを募集

■地方有料道路でも導入しやすいワンストップ型ETC

令和ともなればETCを利用しているドライバーのかたが多いと思います。そうなると現金で払う準備などしていないので、たまに地方の有料道路で現金徴収の料金所があるとあわてたりしますよね。高速道路だったらまずETCが使えると思うのですが、地方の有料道路となるとまだ導入されていないところもけっこうあります。その理由は設備のコストがネックになっているからだそうです。

しかし、ETCをもっと地方有料道路にも普及させて利便性を高めようと、神奈川県道路公社、首都高速道路株式会社、アマノ株式会社、株式会社日立製作所、首都高 ETC メンテナンス株式会社、三井住友トラストクラブ株式会社が共同で、新しいシステム『ワンストップ型ETC』導入に向けた社会実験を行います。

場所は神奈川県横須賀市のETC未導入の本町山中有料道路で、期間は2020年3月23日から5月21日までです。

このワンストップ型ETCとはどういうものかというと、通常のETCのようにノンストップで料金所を通過することはできませんが、該当レーンで一旦停止すればそれでOKというもの。現金も必要ないし、窓を開ける必要もないので、通常のETCほどのスムーズさはないにしても、現金支払いよりはずっと簡単に料金所を通過できます。

ワンストップ型ETCイメージ
ワンストップ型ETCでは、通行車両は一旦停車して、ETCカードによる決済を行います。

これは、セキュリティ機能を有した情報処理機器と遠隔地に設置した複数の路側機を通信ネットワークで接続し、路側機で取得した情報を集約させて一括処理することで、ETC カードを用いたキャッシュレス決済の安全性を確保する『ネットワーク型ETC技術』というシステムを使用したものです。

通常のETCに比べて導入コストがだいぶ低く抑えられるのだそうです。この技術を活用してもっと地方有料道路をキャッシュレスで使えるようにしたいというのが今回の社会実験のコンセプトです。

じつは筆者は最近までバイクにはETC車載器をつけていませんでした。でも現金払いではなく、ナマのETCカードを使って支払っていました。カードだけならグローブを外さなくても受け渡しができるので、けっこう満足していました。ノンストップじゃなかったとしても、一旦停車するだけで通過できるワンストップ型ETCにはメリットも大きいのではないでしょうか。

ただし、今回の社会実験に参加できるのは先着50名のモニターだけです。で、現在神奈川県道路公社ではそのモニターを募集しています。条件もいろいろあって、『ダイナースクラブカードを持っているか、入会することができて、ダイナースクラブカードのETC番号を登録可能な方』とか、ハードルの高い要件もあるのですが(笑)、あとは、本町山中有料道路を利用可能でETC車載器を搭載していて、アンケートに答えられる方など、ごく一般的な要件です。

本町山中有料道路
本町山中有料道路は、横浜横須賀道路の横須賀ICと横須賀駅近くを結ぶ有料道路で、普通車の料金は210円です。

なお、通行料金は払わないといけませんが、4回以上通行すれば1万円相当、2回または3回通行すれば5000円分相当のQUOカードPayがプレゼントされるなど、なかなかおトクな特典もあります。

下記の募集サイトに、条件や利用規約も出ているので、興味のあるかたはご覧になってみてください。募集期間は2020年3月22日までなのでお早めに。

なお、このネットワーク型ETC技術を使った新しいキャッシュレス決済は、駐車場等でも利用が検討されているそうなので、さまざまな場面で導入が拡大されていくかもしれませんね。

(まめ蔵)

【関連リンク】

募集サイトURL
https://www.kdt-kousha.or.jp/monitor2020_2_1/

この記事の著者

まめ蔵 近影

まめ蔵

東京都下の農村(現在は住宅地に変わった)で生まれ育ったフリーライター。昭和40年代中盤生まれで『機動戦士ガンダム』、『キャプテン翼』ブームのまっただ中にいた世代にあたる。趣味はランニング、水泳、サッカー観戦、バイク。
好きな酒はビール(夏場)、日本酒(秋~春)、ワイン(洋食時)など。苦手な食べ物はほとんどなく、ゲテモノ以外はなんでもいける。所有する乗り物は普通乗用車、大型自動二輪車、原付二種バイク、シティサイクル、一輪車。得意ジャンルは、D1(ドリフト)、チューニングパーツ、極端な機械、サッカー、海外の動画、北多摩の文化など。
続きを見る
閉じる