■あらゆるジャンルで高性能を誇る「アイスガード」シリーズ
横浜ゴムのスタッドレスタイヤ「アイスガード」はさまざまな車種への対応が可能となっています。2020年のウインター試乗会では、ポルシェ718ケイマンにアイスガード6を装着したモデルへの試乗が行われました。装着サイズはフロントが235/40R19 92Q、リヤが265/40R19 102Q。試乗コースは圧雪路面です。
917ケイマンは300馬力の水平対向4気筒エンジンをミッドシップに搭載する後輪駆動モデルです。試乗ではESPをカットして行いましたが、加速時のグリップ感はしっかりとしたものでした。もちろんアクセルを全開にしてしまえば後輪は空転をはじめてしまいますが、アクセルをある程度コントロールすれば、しっかりとした加速が味わえます。300馬力の後輪駆動とは思えない印象があります。
ハンドリングに関しても十分なフィールです。FFやFRに比べてフロント荷重が少ないミッドシップレイアウトでは、スタッドレスタイヤでのスラロームはやりにくいものですが、ステアリング操作に対する反応は悪くないものです。同様にブレーキング(ABS作動)も良好でした。
また、トヨタRAV4を使って、アイスガードSUV G075の試乗も行いました。この試乗では新設されたハンドリングコースでの試乗となりました。新ハンドリングコースは、コース内にギャップを設けるなどしたレイアウトで、よりリアルワールドに近いインプレッションが行えます。
4WDのRAV4はトラクションを稼ぎやすいクルマですが、アイスガードSUV G075はその特性を上手に生かすことができる印象でした。
トラクション性能がいいだけに加速ができるストレートではついつい加速を強く行ってしまいがちで、コーナーに入っていくとフロントタイヤがアウトに逃げはじめますが、そこでアクセルを踏むことを我慢すれば、徐々にフロントが圧雪をグリップしクルマはインに向かって行きます。
ギャップ越えで姿勢が乱れた際も急激なグリップ変化は認められず、安心したドライビングが行えます。
(文・諸星陽一)