■船舶向けに初の燃料電池システムを開発、世界一周の航海をサポート
トヨタ自動車の欧州部門TME(Toyota Motor Europe)が水素を燃料に、走行中CO2を一切排出しないFCV(燃料電池車)「MIRAI」で培ったFC(Fuel Cell)技術を初めて船舶向けに応用。再生可能エネルギーで世界一周航海を目指す仏「エナジー・オブザーバー号」向けにFCシステムを開発、搭載したと発表しました。
「エナジー・オブザーバー号」は、太陽光や風力の再生可能エネルギーや、海水から生成した水素を用いた燃料電池を動力とする世界初の自立エネルギー型燃料電池船で、 船長は31m、船幅は13m、重量は 34トン。
フランスのヨットレーサーのビクトリアン・エルサール氏と、探検家でドキュメンタリー作家のジェローム・ドラフォス氏がレース用のボートをエネルギー自立型の船に改造。同船の目指すものが「人とクルマと自然とが共生する社会」を目指すトヨタの考えに一致していることから、同社ではかねてよりオフィシャル・パートナーとして支援しており、船舶へのFC技術応用に向けてこれまで緊密に連携して来たそうです。
TMEでは船舶用のコンパクトなFCシステムの開発、搭載まで僅か7か月で完了しており、昨年末には停泊中の「エナジー・オブザーバー号」でFCシステムの搭載試験を実施。
現在、2月の出航を控え、海上で最終試験を行っているそうで、サン・マロ港を出港し、大西洋と太平洋を横断する計画。
トヨタではFC技術の各種用途への高い汎用性を示せたとしており、今回の船舶へのFC利用は、水素社会の実現に向けたさらなる一歩となりそうです。
(Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)
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