目次
●ワイパーゴムを取り換えて視界もスッキリ!
雨の日の視界確保に必要なワイパーですが、劣化が進むと拭き取りが悪くなったり、スジが残ったり、不快な音が鳴ったりと、気持ちの良いものではありません。カー用品店などでの交換もできますが、1本あたりの工賃は数百円かかり、すべてのワイパーを取り換えると千円程度の工賃がかかってしまうこともあります。ワイパーは比較的簡単に交換できるので、自分で交換して、視界はスッキリ、お財布はほっこりといきましょう。
・ワイパーブレードのカタチは大まかに3種類
クルマについているワイパーは大まかに、「アーム」「ブレード」「ゴム」の3つの部品から成り立っています。クルマから伸びている金属部品で、ワイパーにとっての動きの主導部分になるのがワイパーアーム、アームの動きを受け止めて、フロントガラスとゴムとの接地を調整しているのがワイパーブレード、そして実際にブレードに取り付けられてフロントガラスを拭きあげるのがワイパーゴムです。
ワイパーブレードはクルマによって様々な形になっていますが、大きく分けると3種類に分類できます。
最もベーシックなのが「トーナメントワイパー」で大きなフレーム1つと、小さなフレームを複数組み合わせて、トーナメント表のような形をしています。曲面が多いガラスの拭き取り能力が高いワイパーです。
ワイパーゴムとブレードが取り外しのできない一体型になっているものは「フラットワイパー」と呼ばれます。ガラス面に均一な圧力をかけることが可能で、拭き取り能力が高く、エアロデザインで空気抵抗を発生させて高速走行でのワイパーの浮きを抑制する作用があります。
トーナメントワイパーとフラットワイパーの融合された形が「デザインワイパー」です。トーナメントワイパーでは剥き出しだったワイパーブレードの骨組みにカバーをかけて、ゴムとブレードが分離できるものになっています。
・ブレードごとの交換は楽々
ワイパー交換の第一歩として、ワイパーブレードの取り外しを行っていきます。まずはタオルやウエスのような布を準備しましょう。
ワイパーアームを持ちあげて、ブレードをフロントガラスから持ち上げます。完全にアームが立ち上がったら、ワイパーブレードを取り外します。トーナメントワイパーでは、アームとブレードの接合部分の内側にツメがあることが多く、ツメを押しながらブレードを引き抜くと外れます。デザインワイパーの場合には、取り外し方は様々で、トーナメントワイパー同様にツメのあるタイプから、ブレード背面にカバーが付いていて、カバーを開けると取り外せるものもあります。
ブレードの取り外しが完了したら、立ち上がっているワイパーアームをゆっくりと倒し、アームとフロントガラスの間に、先ほど用意した布を挟んでおきます。ワイパーアームを立ち上げたままでは、風が吹いたりするとアームが倒れてしまい、フロントガラスを打ち付けて傷をつけてしまう可能性があるので、必ず倒した状態で作業をすることが大切です。傷防止のために布を挟むことも忘れずに行います。
ワイパーブレードごとの交換であれば、新しいワイパーブレードを、外した時の逆の手順で取り付ければ完了です。
・せっかくならゴムの交換にも挑戦しましょう
ブレードをアームから外すことができたら、ワイパーゴムの交換にも挑戦しましょう。ワイパーゴムの横にはレール溝があり、さらにワイパーを立てた時にした側に位置するワイパーゴムには、ワイパーゴムを止めておくストッパーがあります。ストッパーのある側を持って、強く引っ張ることで、ワイパーブレードから、ワイパーゴムが外れます。
ワイパーゴムを取り外したら、ワイパーゴムの左右のレール溝とは異なる溝に、プレート状のスプリングが入っています。ワイパーゴムの張りをキープするための重要な部品です。新しく購入したワイパーゴムに付属していれば処分して構いませんが、付属していないワイパーゴムもありますので、古いワイパーゴムから移し替えます。このスプリングは緩くカーブを描いているので、フロントガラスの曲面と同じ向きになるように、ワイパーゴムに取り付けます。
最後に、ブレードに新しいゴムを取り付けますが、注意事項が一点あります。新しいゴムは、ワイパーブレードの下側、ワイパーが作動する際の円運動の内側にストッパーが来るように挿入します。万が一逆に取り付けてしまうと、ワイパー作動中に、遠心力でワイパーゴムが抜けてしまう恐れがあるので、向きの確認は大切です。ブレードに対して正確にワイパーゴムが取り付けられたら、アームにブレードを取り付けて、作業は完了です。
・まとめ
ワイパーゴム交換は、部品も安価で、比較的自分で行いやすいメンテナンス作業です。雪のシーズンに使用する、スノーブレードのへの交換も、ワイパー交換の手順を覚えておけば簡単に行えます。快適な雨の日のドライブのため、ワイパーゴムの状態をしっかりとチェックし、1年に一度は交換していきましょう。
(文・写真:佐々木 亘)