ホンダS2000の相場が2019年に急上昇していた!孤高のFRオープンスポーツを買うなら急ごう!!【中古スポーツカー・バイヤーズガイド】

■ホンダS2000の操る楽しさは最新スポーツカーを上回る!

●相場は上がり続けると予測されるから、お求めはお早めに!?

ホンダが初めて生産した4輪乗用車はS500からS600、S800へと続くオープン2シーターのFRスポーツカーでした。ところが、その後のホンダはFF車ばかりのラインナップになり、それが崩れるのは実に1990年に発売されたミドシップスポーツのNSXまで待たなければなりませんでした。さらにミッドシップのビートが続くものの、FRを採用するのは1999年に発売されたS2000まで待たなければなりませんでした。ホンダの長い歴史の中で、今もFRを採用したのは初代SシリーズとこのS2000だけなのです。いかにS2000が貴重な存在かが、お分かりいただけるかと思います。

待望されたS2000は2リッター4気筒DOHCのVTECエンジンを搭載するオープン2シーター。初代Sシリーズの正統後継車というべきパッケージングでしたが、338万円と高価な販売価格だったことも影響してか、国内での販売台数は2万台あまりにとどまりました。ですが250psを8300rpmで発生するエンジンは、9000rpmまで回る官能的とも呼べるもので、オープンにもかかわらず高剛性を実現したボディと相まって非常に高い走行性能を実現していました。

そのS2000の中古車相場が、2019年になって急激に上昇しました。確かに2、3年前まででもジワジワと相場を上げている車種だったのですが、2019年の上げ幅は異常と表現できるほどです。

前期モデルで2リッターエンジンのAP1で走行距離が2、3万キロ台の場合、200万円台半ばから300万円前後。後期モデルで2.2リッターエンジンになるAP2で同条件だと400万円を超えてしまいます。2、3年前であれば、AP1なら50万円以上、AP2では100万円くらい相場が低かったはずです。これはまさに異常事態と呼べるでしょう。

ここ数年で顕著になった国産スポーツカー人気のアオリを受けているのでしょうか。原因を探るべく、ホンダ車を専門に扱っている中古車ショップ「HMR HONDA」さんにお邪魔してきました。

●ホンダS2000・プチヒストリー

1999年発売ホンダS2000(AP1)
1999年発売ホンダS2000(AP1)。F20C型2リットル直4VTECエンジンは最高出力250psを発生し、トランスミッションは6速MTのみの組み合わせでした。
TYPE V
2000年に発売された「type V」は、世界初のステアリング機構「VGS」の採用が話題に。車速と舵角に応じてステアリングレシオが可変するもので、ロック・トゥ・ロックは通常の約半分の1.4回転。
2005年発売ホンダS2000(AP2)
2005年発売ホンダS2000(AP2)。ストロークアップにより排気量を2.2Lに拡大したF22C型エンジンを搭載。扱いやすさは増したものの、許容回転数は8000rpmに下がりました。
TYPE S
2007年には「TYPE S」を追加設定。大型リヤウイングをはじめとする専用エアロや専用サスペンションチューニングを採用していました。

この記事の著者

増田満 近影

増田満

複数の自動車雑誌編集部を転々とした末、ノスタルジックヒーロー編集部で落ち着き旧車の世界にどっぷり浸かる。青春時代を過ごした1980年代への郷愁から80年代車専門誌も立ち上げ、ノスヒロは編集長まで務めたものの会社に馴染めず独立。
国産旧型車や古いバイクなどの情報を、雑誌やインターネットを通じて発信している。仕事だけでなく趣味でも古い車とバイクに触れる毎日で、車庫に籠り部品を磨いたり組み直していることに至福を感じている。
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