【独占インタビュー】佐崎愛里、小林沙弥香がレースクイーン引退直後の心境を語る【東京オートサロン2020】

●「ここでしか経験できない貴重な経験、そして自信と輝きを与えてくれるレースクイーンという仕事に携われて幸せでした」

今年も大盛況のうちに閉幕した東京オートサロン。近年は海外からの来場者も増え、今回は過去最多動員数となる33万6千人以上の来場者数を記録しました。

そのオートサロンの会場で、多くのファンや関係者から惜しまれながら、華々しいそのキャリアに幕を下ろした2人のレースクイーンがいました。

2016年、オリンピックイヤーにレースクイーンとしてデビューした小林沙弥香さん。そして、常に人気者であり続けなければならないレースクイーンという世界で10年もの長い間トップレースクイーンとして活躍してきた佐崎愛里さん。そのお二人に、オートサロンという最後の舞台が終わった直後の率直な気持ちを赤裸々に語っていただきました。

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オートサロン閉幕後に心境を語ってくれたMobil1レースクイーン2019の小林さんと佐崎さん

── オートサロンお疲れさまでした。お二人ともレースクイーン引退ということで、まずは今の心境を教えていただけますか?

小林沙弥香(以下:小林)「なんか今、本当に終わってしまったんだなと寂しく思っています。ですが最後は今まで応援してくれた人達がみんな集まってくれて、幸せな卒業を迎えることができました。この4年間、たくさんの方に愛されていたんだなって、本当に幸せでした。」

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卒業式でファンへ挨拶する小林沙弥香さん

佐崎愛里(以下:佐崎)「卒業式を迎えて、今まではオートサロンといえば、また新しいシーズンの始まりだっていう気持ちでやっていたんですけど、今回は本当に卒業、引退ということで、締めくくらなくちゃいけないなっていう気持ちでこの3日間やってきました。(引退を発表することで)どんな反応をされるのかとか、どうやって引退を伝えたら良いかなっていう事で、すごい悩んだ日々が続いて、緊張の緊張でちょっとヤバかったです。(今までと違った緊張感で)今までそんなにここで緊張したっていう事がなかったのと、(引退の事で関係者の)みんなもソワソワしていたので、今やっと最後に卒業式を終えて肩の荷が降りたのかな、という感じです。」

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Mobil1レースクイーンを3年間務めた佐崎愛里さん

「全て終わったんだなぁっていう、ちょっと物悲しさもあるんですけど、でも私達は本当に次にやりたいことがあって旅立つことを選んだので、悲しくて辞めるのじゃなくて、希望に満ちた卒業だなって思っています。ただ、それでもやっぱり応援してきてくれたみんなとか、やっぱり自分が築き上げてきたこの居場所を手放すのが、ちょっと悲しくもありますし、今はまだコスチュームを着ているけど、この後これを脱いだら2度と袖を通すことが無いんだなっていう物悲しさに、今は満ちているかなぁっていう感じです。」

── お二人が次にやりたい事っていうのはどんな事なんでしょう?

小林「私は(レースクイーンになる前にやっていた)モデルの道を頑張りたいと思い、本格的にやっていこうと思っています。」

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今後はOLとして一般企業に勤める予定の佐崎さん

佐崎「私はレースクイーンは、モデルとかのお仕事の中の1つだと思って一生懸命やってきたんですけど、今回こうして引退するって決めたのは、その業界自体から引退するって決意したからというところもあるので、今回はもう本当に違う道に行こうっていう事に決めました。
何をするのか具体的には今すぐには伝えられないんですけど、元々会社員だったこともあるので、ある企業さんに就職して普通にお仕事をしていこうと思っています。多くの皆さんと同じような気持ちで会社に勤める形になるんじゃないかと思っています。」

── お二人の新天地での活躍も、多くの方が願っていると思います。では逆にレースクイーン人生を振り返ってみて一番心に残っている事はどんな事でしたか?

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今後はモデルの仕事に専念する小林沙弥香さん。ポールポジションでのグリッドボードは忘れられない宝物になったそうです

小林「グリッドボードを持って、ポールポジションでマシンを迎えた事は忘れられないですね。自分がコース上で先頭に立ってマシンを迎え、そこに(ポールポジションを獲った)マシンが自分の待つグリッドに入ってくる。あんなに素晴らしい景色は多分この先一生見ることができないんじゃないかなって、あれは宝物ですね。」

佐崎「いい景色だよね」

── その瞬間は我々取材陣も入れない時間ですから、特別な人にしか見ることのできないものですよね

佐崎「私はもう10年もやってきたので、思い出す事もいっぱいありすぎてちょっと整理がつかないんですけど、1年目は本当にとりあえずかおりんの近くでがむしゃらにやっていたので、ほぼ覚えてないです(笑)本当に言われたまま、はい!はい!って感じで(かおりんに)付いて行った1年でした。その次の年は私だけ(同じチームで)継続だったので、その頃から(レースクイーンとして)同期とかがいる中で2年目からリーダーというポジションを務めなくてはならなくて、しっかりしなきゃっていう事を感じられたおかげで、すぐにそこから成長できたかもしれないです。
そして3年目になってチームが変わって、その年度にレースクイーン大賞のグランプリを受賞させていただけました。そういう意味ではファンの方々に可愛がってもらえたレースクイーンだったなと思っています。そこでもリーダーのポジションだったんですけど、私としては(レースクイーンのメインワークの1つである)スポンサーさんをアピールする事や、同じチームのレースクイーンがちゃんとレースに集中して、一緒に楽しみながら仕事をできるように、というのをずっと考えてやってきていたので、なんかやっぱり仕事として結構ピリピリしてる時間も多くて、楽しいだけだったっていう感じでもないかなぁってずっと思っています。
体力的にも大変な仕事だし、ずっとニコニコしていなきゃいけなかったり、そしてチームが色々あったりとか、そういう事も含めると心が落ち込む時もありました。」

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笑いあり、涙ありの卒業式となりました

「私は楽しいだけでやっているタイプじゃなかったかなって思っていて、仕事の意味とか、私が(レースクイーンとして)存在する意義みたいなものをちょっと難しく考えすぎるタイプだなっていうのは、今でもちょっと悪い点だと思うんですけど、かっこよくピシッとちゃんと伝えることは伝えるっていう広報的な部分と、やっている中で楽しませるエンターテイナー的な部分をレースクイーンは両方担ってて、本当は凄く難しい仕事なんじゃないかなぁっていうのを、だいぶ経ってから感じるようになったかなと思っています。
それでもやりがいは凄くあるし、『佐崎さんでお願いします』って言っていただけてこうやって立てる場所っていうのは他の仕事だとなかなかそんなにないんじゃないかなぁって思うと、自分に自信を持っていられるっていうのがこの仕事の良さだし醍醐味だと思っているので、それ以上の喜びがあって楽しいお仕事だと結果的には思っています。」

── 確かに、名指しで仕事を任せられるっていうのも、レースクイーンだからこそですね。そんなレースクイーンを、事務所の後輩や知人がやりたいと言ったらなんて言いますか?

小林「Mobil 1レースクイーン絶対やったほうが良いよって(笑)て言うか、もうすでに去年のオーディションがあった頃には知ってる子には話していました。
チーム関係者の方達は本当に優しいし、さっきも話したポールポジションでグリッドに立てるチームっていうのもなかなか無いし、立ち位置的には難しかったりもしたんですけど、それでもやっぱり仲の良い和気藹々とした本当に良いチームだったので、やっぱりMobil 1レースクイーンはずっとお勧めしたいなと思っています。」

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ファンへ向けて挨拶する佐崎さん

佐崎「私の事を推してくれている後輩がまさか(Mobil 1レースクイーンに)決まったので私もちょっとびっくりしています。
実はレースクイーンになる前もなってからもですけど、私あんまり自分に自信がないタイプで、結構不安だったりとか、本当はちょっと引っ込み思案なところが強いんです。でも、この(レースクイーンの)お仕事は多くの人が応援してくれて輝かせてくれるし、名指しでお願いしますっていう風にして出してもらえるっていう事は、そこでもうすでに自信を与えてもらっていて、それでもっともっと輝けるから、良い力を貰えるお仕事だと思います。
なので自分にちょっと自信を無くしている人とか、私なんてって思っている人にこそ、やってみてほしいなって思います。」

── それでは最後に、応援してきてくれたファンの方へ、レースクイーンとして最後のメッセージをお願いします

小林「これまで4年間応援してくださって、本当にありがとうございました。サーキットでの思い出を思い返しても、本当にみんなに支えられてたなって思うし、本当に幸せなレースクイーン人生を送ることができました。私は決して人気のレースクイーンにはなれなかったし、ファンが多いかって言われたらそんなに多くはないし、ファン想いかって言えばSNSもそんなに更新しないし(一同笑)ファンからしたらちょっと物足りないかなって思うレースクイーンだったんですけど、こんなポンコツな私をずっと応援し続けてくれて本当に感謝しています。
場所は変わってしまうんですけど、これまでみんなにもらった愛を返していけるように、モデルとして輝けるように頑張りたいと思います。引き続き応援していただけたら嬉しいです。本当に4年間ありがとうございました。」

佐崎「私は10年間レースクイーン活動をさせてもらって、これで本当の最後の締めくくりをする事になるんですけど、皆さんが思っている以上に、(自分では)本当に不安に思いながらこの10年間やってきて、凄いな、でもやれて良かったなと思っています。
ただ、レースクイーン人生の中でやれなかった事、叶わなかった事があって、それは(所属した)チームをチャンピオンにすること、それとポールポジションのグリッドボード、実は無いんです。どのチームのレースクイーンになるかっていうのも運とかもあると思うんですけど、自分が携わったチームでそういう風に感動する機会が無かった事が、まだサーキットに行きたいなっていう心残りでもあるので、レースクイーンを辞めてもサーキットにはプライベートで遊びに行きたいなと思っています。
また、それでお会いした時には一緒になって喜んだり悔しがったり、これからは今までとは違う形でサーキットを、レースを楽しめるなっていう風に思うと、ある意味ワクワクするなって思ってます。その時はファンの方とも一緒にレースを見たりとか、楽しめたら良いなって思っているので、(私の事を)忘れないでいてくれると嬉しいなって思います。」

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笑顔で卒業、引退を迎えたMobil1レースクイーン2019の小林沙弥香さんと佐崎愛里さん

レースクイーンとしての業務を全て終えたお二人からは、安堵や不安と共に、お世話になったチームや関係者、応援してきてくれたファンの方々への感謝の気持ち、そしてレースクイーンという仕事の楽しさや尊さを、心の底から感じていたんだなという事がひしひしと伝わってくるインタビューとなりました。

そしてそのモータースポーツ愛で運転免許を取得した2人が自身の運転でサーキットに姿を現す日も、そう遠くはなさそうです。その時はご自身のSNSでぜひファンの方々に発信してくださいね(笑)

小林さん、佐崎さん、本当にお疲れさまでした!そしてありがとうございました!

(写真:松永和浩、H@ty 文:H@ty)

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