「こだわりすぎ、やりすぎヤリス、万歳!」元・全日本ラリー選手権チャンピオンの島田親吾がGRヤリスに試乗

GRヤリス

■WRCのDNAを受け継いだGRヤリス降臨!

サーキットでなく世界中のあらゆる道が舞台となる、WRC(世界ラリー選手権)。40年以上の歴史を誇るラリーの最高峰で、ラリーが盛んな欧州や南米ではF1に勝る人気とも言われているのだそうです。

そんなWRCにトヨタが2017年に参戦復帰し、昨シーズンはマニュファクチャラー、今シーズンはドライバー、コ・ドライバーのチャンピオンを獲得するという偉業を成し遂げました。

この世界選手権で得た知見を惜しみなく投入されたモデルが、TOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)が展開するスポーツカーシリーズ「GR」のグローバルモデル第2弾GRヤリス。2020年1月10日(金)から幕張メッセで開催される「東京オートサロン2020」で世界初公開されるのですが、その前にGRヤリスプロトタイプに試乗する機会が訪れたのです。

今回は全日本ラリー選手権Aクラス(1987年)、Bクラス(1989年)チャンピオンで、私の「父」でもある島田親吾にステアリングを握ってもらいました!

GRヤリス
車両について質問する、島田親吾(写真向かって右)。

■WRC車両を開発しているTMRが来日!

GRヤリスは、トヨタにとってセリカGT-FOUR以来、約20年振りとなる自社開発スポーツ4WDモデルで、当時の開発方法・技術を知っている人が誰もいなかったのだそうです。しかし「モータースポーツの楽しさを広げたい!」という一心で、開発をスタート。

TGRワールドラリーチームの車両開発と実践オペレーションを担うTMR(トミ・マキネン・レーシング)のエンジニアが来日し、開発に携わったというエピソードには驚きました。また今シーズン、TGRワールドラリーチームの一員として見事ドライバーズチャンピオンを獲得したオット・タナクに試乗してもらい、評価してもらったのだそうです。これは、WRCファンにはたまらない出来事ですよね!

GRヤリス
GRヤリス最新型プロトタイプ。

面白いなと思ったのが、前後配分を調節できるダイヤルスイッチ。街中で最適なノーマルモード(フロント60、リア40)、リアから押しあげてくれる感じが最高なスポーツモード(フロント30、リア70)、そしてサーキットでも雪道でもとにかく速く走ることがきるトラックモード(フロント50、リア50)の3モードがあるとのことです。

ちなみにTGRワールドラリーチーム代表のトミ・マキネンと復帰初年度からドライバーとして活躍したヤリ-マティ・ラトバラはトラックモードが、タナクはスポーツモードがお好みだそうですよ。

GRヤリス
3つのモードに切り替えることができるダイヤルスイッチ。

■魅力いっぱいなスペック

まだ全ての詳細が明かされたわけではありませんが、父はこのGRヤリスの特別なスペックに大喜びでした。

「軽量さと空力性能の良さから3ドア、ハッチバックを選択したこと。トレッド幅を稼ぐための張り出したフェンダー。ルーフスポイラーを装備した時に、最大限の空力性能を得るためルーフをリヤに向けてスラント。軽量化と重量バランスの最適化から、ボンネットとドアはアルミ製。ルーフは新素材カーボンを採用。前後重量配分比を適正化するために、エンジンを後方に傾けて搭載……。これだよ、コレ!マニアにとって、このこだわりは垂涎ものだね」

GRヤリス
WRCに参戦しているヤリスWRCと同じ3ドアが嬉しい!

■ラリードライバーのスイッチが入っちゃった!?

さぁ、いよいよ試乗の時間がやってきました。

「GRヤリスは、WRCのDNAを注入したモデルだろう?車両説明を聞いてラリー参戦のために作られた、かつてのホモロゲーションモデルを連想したんだ。なにしろ昔のホモロゲーションモデルといったら、軽い廉価版シャシーにパワフルなエンジンを積み込み、バキバキの4WDシステムやクロスミッションを組み込んだシロモノが多かった。パワフルだけどトルク特性は粗削り、トラクションは強力だけど曲がらない……と、乗りこなすのに苦労したんだよ」

と、不安と期待が入り混じりながらGRヤリスに乗り込みます。

いざ走りだした瞬間、私は思ったのです。攻めすぎだと(笑)。現役時代を知らない私でさえ「あっ、ラリードライバーのスイッチが入っちゃったな」と感じたほどです。

GRヤリス
ウェットターマック走行。

走行が終わり、最高の笑顔で車両から降りてきた父に直撃してみました。

「いや〜、楽しかった! 最初、少し身構えてステアリングを握ったんだよね。ところがGRヤリスを走らせてみると、そんな危惧は一瞬に消えたんだ。実に見事にセッティングされていて、動きが素直だった。コンパクトで軽量なボディと、軽い3気筒エンジンやトランスファーをリヤデフ側に組み込むなどの前後重量バランスへのこだわりで、ステアリング操作に対するレスポンスが非常にスムーズ。30:70、40:60、50:50という3パターンの前後駆動力配分をダイヤルひとつで選択できるのも魅力で、路面状況やコーナーのRに合わせてターンインの特性を変えられるのも良いね!」

GRヤリス
前後駆動力配分はトラックモードが好みだそう。「もともとフロントの動きが機敏だから、個人的にはコーナリング中の動きがリソッドな50:50が好みかな」

試乗はウェットターマックとグラベルの2つのコースで行われたのですが、なにやらすでにアフターパーツの事を考えているようです(汗)。

「ウェットターマックの試乗コースでは、もう少しフロントのトラクションが欲しい気もしたけれど、グラベルコースで乗ったフロントLSD付のプロトタイプカーでは十分なトラクションを感じられた。アフターパーツとしてフロントLSDを付ければ、さらにその高いポテンシャルを楽しむことができるだろうね」

GRヤリス
グラベルコースでの走り。

WRCのDNAがたっぷり注ぎ込まれたGRヤリスに乗り、終始楽しそう(幸せそう!?)だった父。最後に総評を聞いてみました。

「クルマは単なる移動手段じゃない。若い人たちに、このGRヤリスでクルマを操ることの楽しさを知ってもらいたいな。何よりこだわりがありすぎて、あまり儲かりそうもないこのクルマを市販するトヨタの英断に拍手を送りたいね。こだわりすぎ、やりすぎヤリス、万歳!!」

GRヤリス
「東京オートサロン2020」では、どのような姿で登場してくれるのでしょう。楽しみが増えました!

【島田親吾プロフィール】

・1987年全日本ラリー選手権Aクラスチャンピオン
・1989年全日本ラリー選手権Bクラスチャンピオン
・元モータージャーナリスト、ラリードライバー
・ラリーホモロゲーションモデル・日産マーチRの開発に携わる

(撮影:井上誠、文:yuri)

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