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■コースはシンプル! でも走りごたえバツグン!
なかなか覚えられないほどですが、オートテストのコースはとてもシンプル。誰でもすぐに覚えられる短いコースです。でも、シンプルだからといって簡単に攻略できるわけではありません。走行ラインのちょっとした違いや、ブレーキやアクセルのタイミングで大きくタイムが変わり、ドライビングの奥深さや楽しさ、難しさをたっぷり味わうことができます。
今回の車山オートテストのコースは、この図のとおり。各コーナーにネーミングライツが設定され、スポンサーの名前がつけられていたのが印象的でした。
■5つのクラスで争われた車山オートテスト2019 2nd stage
参加車両は、排気量、駆動方式、車両サイズなどによってクラス分けされていました。それぞれのクラスを紹介してゆきましょう。
■軽自動車クラス
排気量660cc以下の軽自動車規格のクラスです。一般道ではちょっと非力な軽自動車も、小さなコースをクルクル走るオートテストでは、大排気量車にひけをとらない素晴らしいパフォーマンスを発揮します。軽く小さい車体が生み出すクイックな運動性がキラリと光る、かわいい俊足クラスです。
■普通車FFクラス
現代の乗用車で最もポピュラーな駆動方式となっているFF(前輪駆動)だけに、大会最多の15台がエントリーする人気クラスとなりました。ステアリングを切った方向に駆動力がかかるFFは、フロントがしっかりインに入る曲がりやすさの反面で、タックインなど独特の挙動が現れる場合も。とりわけコーナーへのアプローチで正確なブレーキング・テクニックが求められる駆動方式です。
■普通車FRクラス
古典的なクルマの駆動方式であるFR(後輪駆動)は、アクセルオンでテールスライドが始まり、オフでスライドが収まるといった直感的な運動特性が持ち味。ドリフトに代表される迫力の走行シーンが多くのスポーツカーファンを魅了する駆動方式です。素早く向きを変えながらも、適切にスライドを抑えてコーナーを立ち上がるアクセルワークの妙がFRドライバーの腕の見せ所といえるでしょう。
■普通車4WDクラス
4WD(四輪駆動)はラリーやクロスカントリー車など、悪路用のイメージがありますが、舗装された一般道やサーキットでも、タイヤが滑りにくく安定したコーナリング性能を発揮する駆動方式です。でも、ひとたび限界をこえるとマシンコントロールが難しく、タイトターンではプッシュアンダーが出やすいといった独特のクセも。4WDの高性能を確実に引き出すシュアなドライビングがキモとなるクラスです。
■ミニバン・SUVクラス
車高1650mm以上の車両のクラスです。重心が高く大柄なクルマなので、もともと速く走る競技にはあまり向きません。なかでも欧米製の大型ピックアップトラックなどは、オートテストの車庫入れでは圧倒的に不利。すぐれた車両感覚と運転操作の正確さが勝利のカギとなりますが、なによりもチャレンジ精神と遊び心が大切なクラスといえるでしょう。
オートテストには、さまざまなタイプのクルマが参加しています。ほかの自動車競技ではあまり見かけないクルマが全開で飛ばす姿を見られるのは、この競技ならではの魅力。また、ふだんあまり意識することのない自分のクルマの駆動方式や運動特性を知り、日々の安全運転につながる知識と技術を身につけられるのも、オートテストのメリットのひとつです。
【オートテスト概要】
主催:一般社団法人 日本自動車連盟 (JAF)
開催地:全国各地の特設会場にて開催
開催者:大会による
開催スケジュール:下記参照
(写真:高橋克也 文:村上菜つみ)
【関連リンク】
・オートテスト開催予定
http://jaf-sports.jp/autotest/schedule.htm
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