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■異次元な走りを清水和夫が体験してみた!
ポルシェ初となるフル電動スポーツとして誕生したタイカン。4ドアスポーツサルーンのEVとして特徴的なエクステリアデザインに加え、ポルシェの名にふさわしいパフォーマンスが与えられています。日本には、まずはターボとターボSが導入される予定ですが、異次元な走りを発揮するタイカンの第一印象を国際モータージャーナリスト・清水和夫さんがレポートします。
●清水和夫の疑問…電気自動車って何なんだろ?
ここはオーストリアのザルツブルクの郊外。今日は天気も良く、撮影日和です。
いや~、登りは本当に楽だねEVは。アクセル5mmくらい踏んでいるだけ。ブ~ンってエンジンの回転が上がってトルクとパワーが出るのを待たずに済みますね。
電気自動車って何なんだろ?ってずっと考えていたんですが、パワートレインが変わっただけなのかな?と思っていたんですが、実はエンジンとモーターという特性の違いが様々な新しいこと、今までエンジン車には出来なかったようなことが可能になってきたんですよね。
それはパッケージにおいても同じで、このタイカンは前後にモーターがあるので4WDなんだけど、真ん中にプロペラシャフトが無いのでセンタートンネルがありません。ゆえに床下に大きなバッテリーを敷き詰めることができて、それゆえにこのタイカンは重心が911より低いって言ってました。
今までエンジン車には出来ないようなことが、バッテリーモーターによってパッケージング的にもできるようになった…というのが、クルマとして新しい価値を提供している、そんな気がします。
●パドルシフトが無い、その訳は?
意外なことにこのポルシェ・タイカンはパドルシフトが無いんですよね。何で無いんだ?って聞いたら、シフトアップは全くギヤが無いから使えないんですけど、ダウン側を使うと回生ブレーキが…いわゆるエンジンブレーキに相当する回生ブレーキを何段階か強めることができるのですが、ポルシェはあえてそれを使わなかった。
その理由を聞いたら、例えばニュルブルクリンクのようなサーキットでかなりギンギラギンになってテストしていたので、回生を強めてもそのときのバッテリーの状況によって回生が取れない場合があるとのこと。回生が取れないとブレーキがその分、効かなくなり、ブレーキ抜けみたいな現象が起きるのを嫌った…ということでした。
ニュルはハイスピードコースですから一瞬、ブレーキがドライバーの期待を外れるとやっぱり大クラッシュしますからね、ギリギリで攻めていると。だからそういう意味で、あえてパドルは使わなかったというのがポルシェの考えですね。ドライバビリティのためにあえてパドルを使わなかったということです。
いろんなところに、ポルシェが良く考え抜いたクルマ作りが行われています。
(試乗&レポート:清水 和夫/アシスト:永光 やすの/動画:StartYourEnginesX/取材協力:ポルシェ ジャパン)
【SPECIFICATIONS】
■タイカン ターボ
最高出力:500Kw(680ps)
0→100km/h加速:3.2秒
最高速:260km/h
最大航続距離:450km
■タイカン ターボS
最高出力:560Kw(761ps)
0→100km/h加速:2.8秒
最高速:260km/h
最大航続距離:412km
システム電圧:800V
充電時間:5%→80% 270Kw 22分30秒
リチウムイオンバッテリー容量:93kWh
フロントコンパートメント容量:81L
リヤコンパートメント容量:366L
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https://clicccar.com/2019/11/27/933826/