「私の感じるマカオグランプリの魅力」R34 GT-Rで参戦を続ける、木下みつひろ選手【Macau Grand Prix 2019】

●究極のストリートレースに参戦する意義とは?

東京から遥か3,000km、グアムより遠い「アジアのラスベガス」マカオ。

直行便でも5時間以上かかるこの小さな地域で、今年で66回目の開催となったマカオグランプリに、はるばるやってきた日本人がいます。果たしてそこにはどんな魅力があるのでしょう?

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マカオグランプリのパドックで出走を待つ木下選手

今回は、かつてスーパーGTや全日本GT選手権に参戦し、GT300シリーズチャンピオンを獲得した経験も持つ、木下みつひろ選手にお話を伺いました。

──はじめまして。まず木下さんのマカオグランプリとの関わりを教えて下さい

「よろしくお願いします。マカオグランプリには以前、2000年と2001年のギアレースに出場し、今回も出場しているツーリングカー・カップにはこのクルマ(R34 GTR)で4回目のチャレンジとなります。

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木下選手とマシンオーナーのエリスさん(右)

実はこのクルマ、元々はオーナーのエリスさんがマカオグランプリに参戦していたマシンなんですね。僕は最初、中国のサーキットで、このクルマのセッティングやアドバイスをしていたんです。そうしている中で、エドさんから『僕はもう(マカオでは)乗らないから、代わりに乗らないか?』と言われて、それで参戦する事になったんです。」

──なるほど。木下さんの経験や実績が買われて、それがマカオグランプリ参戦に繋がったということですね。ですが実際にこうして毎年参戦している理由は、それだけはないと思います

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マカオにはマシンを制作している有名チューニングショップ「オーテック塚田」の塚田代表も帯同

「そうですね。毎年このマカオグランプリに参戦するにあたっては、『GT-Rと言えばATTKD』と言われるくらいチューニングの世界では一目置かれているオーテック塚田さんに車両製作をお願いしています。
それは、どこかから買ってきたパーツをつけて走るのではなく、自分たちの手で作り上げたものを使って実際に走るっていうコンセプトのもとに参戦を始めたからです。塚田さんではマフラーをはじめダンパーやカム、CPUなどさまざまなパーツをオリジナルで制作していて、(スポンサーさんとの絡みもありますが)そういうオリジナル商品でマシンをトータルでチューニングし、サーキットを走るという事に意味があると思っています。
ましてそれがマカオっていう市街地のストリートコース、究極のストリートレースなわけですから、これ以上のものはなかなか無いと思っています。」

「そして僕自身としても、一人のレーシングドライバーとしてマカオを制したいという夢があります。

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狭い市街地サーキットで大柄なボディのR34を巧みに操るのは至難の業

ワンミスが命取りになる市街地コースを限界まで攻めることができて、ひとつのカテゴリで勝つことができれば、自分のレース人生の中でも最高に充実した時を迎えられるのかなっていう、1つの大きな目標となるところなので、やはりマカオにチャレンジするっていうのは意義のある事だと思っています。そ
れにやはり(スポンサーである)アメ横丁さん、マシン製作してくれている塚田さん、そしてエントラントとして参戦してくれているGTO Racing TEAM、それぞれみんながマカオで勝つまでやっていきたいという気持ちがあるからこそ、毎年参戦を続けています。」

──という事は、勝つまでチャレンジし続けるという事でしょうか?

「それはやはりチャレンジしたいですね。もちろん来年のことはまだわかりませんが、このマシンは駆動系も僕が開発したものがついていますし、タイヤも僕が自ら開発しました。そういった繋がりからたくさんの方々からサポートもいただいていますから、やはり勝ちという結果でお返ししたいと思っています。」

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決勝直前、木下選手の速さに期待がかかる

「毎年2位で、ポールポジションを獲っても勝てないっていうのがマカオの難しさだと思っています。ドライバーとして言わせてもらえば山側が速くても勝てない。チーム力、ドライバーのテクニック、そしてクルマのスピードとトータルで強くなければ勝てないレースなので、他に類を見ないこのサーキットだからこそ勝ちたいと思っています。」

──木下さんにとって、このサーキットが特別な存在だということがよくわかりました。昨年大きなクラッシュがあったこともあり、サーキットがグレード2に格上げされました。それについては実際に走ってみていかがでしたか?

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「確かにタイヤバリアなど一部変わったみたいですけど、あまり気になりませんでしたね。逆に去年までのほうが先が見にくかったというか、今年は見通しがよくなって走りやすく感じました。
ですが個人的にはブラインドコーナーにしたり、もっと難しいほうがマカオらしくて良いような気がします。もちろんオフィシャルのレベルを上げるというのは絶対に必要ではあるんですけど、なんでも安全安全にってやっていくと、それはもうマカオじゃなくなっちゃうと思うんですよね。路面が悪いから改修します、じゃなくて路面が悪いのがマカオなんだって。
そしてそういう場所で勝ってこそ、チームもドライバーも、そしてマシンも本物だねって言われる。それこそがマカオだと思うんですよね。」

──それでは最後に、ファンや読者の方へメッセージをお願いします

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来年の活躍にも期待しましょう

「日本国内でももちろんそうですが、中国でもGT-Rのファンの方って凄く多いんですね。ですがこのマカオのチューニングカーのレースではGT-Rが僕しかいないんです。なのでそういったGT0Rファンの方々が凄く僕に期待してくれている。
僕(GT-R)がマカオで勝てば、『僕のGTRも速いんだ』っていう気持ちになってくれると思うし、GT-Rファン、新型だけではなくてR34はじめ旧型ファンの人達にとっても結果に結び付けられるレースをしたいと思っているので、これからも応援してもらいたいです。」

──来年の参戦も期待してます。ありがとうございました。

(H@ty)