ガソリン仕様は予想以上の実力者! 取り回し、ハンドリング、快適性のバランスはマツダSUVでベストか【MAZDA CX-30】

しかも、MAZDA 3とCX-30のMTは、それ以前の世代よりも剛性感が高まっていて、実際に手が入れられているそうで、カチッとした操作フィールも魅力。手首の操作だけで各ゲートにスッと入っていくのは出来のいいスポーツカーのようで、いまでもMTにこだわっているマツダらしい仕上がりの良さが味わえます。MTを選ぶ人は少数派でしょうが、興味のある方は検討する価値ありです。

マツダ CX-30
MAZDA CX-30のインパネ

さらに、ガソリン車はディーゼルエンジン車特有のノック音もなく、静粛性では一歩上。ディーゼルエンジンも比較的静かですし、慣れてしまえば十分に許容できる範囲内ですが、音、振動面で上質に仕上がっているのはガソリン車。

マツダ CX-30
剛性感のあるシフトフィールは、第7世代のMT仕様の魅力

ハンドリングは素直で、直進安定性も上々。ステアリングを切れば過敏過ぎることなく、前輪が向きを変え、無意識にクルマと一体化、つまり同社が目指す人馬一体感が得られます。しかもパワステは、国産車にありがちな軽すぎて手応えが希薄、というフィーリングもほとんどなく、横風などの外乱にさらされがちな高速道路を使ったロングドライブでも安心して運転できそう。

マツダ CX-30
MAZDA CX-30のフロントシート

乗り心地もマツダCX-3の登場時と比べると、かなり洗練されています。路面によっては微細な振動やこもり音も伝わってくるものの、このクラスのSUVでは、上々といえる遮音性、乗り味の良さが実現されています。

マツダ CX-30
MAZDA CX-30のリヤシート

街中でも使いやすいジャストサイズでありながら、広い後席と使いやすい荷室、ハンドリングと快適性のバランスが際立つCX-30は、最新モデルだけあって現在のマツダSUVの中でもより多くの人にオススメできる佳作、秀作といえるクロスオーバーSUVに仕上がっています。

(文/塚田勝弘 写真/長野達郎)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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