25回目の日本EVフェスティバルで自動運転車3台がつくば1000を完走【第25回・日本EVフェスティバル】

●25回の記念大会となった今年の「日本EVフェスティバル」が開催

毎年11月3日の文化の日に開催されている日本EVクラブ主催による「日本EVフェスティバル」。今年も茨城県の筑波サーキット・コース1000を舞台に開催されました。今年は第25回ということもあり、記念大会という位置付けとなっていました。

舘内代表
開会式で挨拶をする日本EVクラブの舘内端代表

毎年、恒例となっているEVカートやコンバートEVのレース、そしてEV・プラグインハイブリッド車のサーキット試乗会(モータースポーツ体験試乗会)も開催されました。筆者はこのサーキット試乗会のインストラクターも務めました。

EVコンバート決勝
EVコンバートレースにはさまざまなな車種が参戦している
千葉泰常さん
EVコンバートレースにはチームタイサンも参戦。監督はもちろん千葉泰常氏

さて、今回のEVフェイスティバルでは注目の出来事が2つありました。

1つはかつてツインリンクもてぎでプレイングフォーミュラとして使われていたサイド・バイ・サイドという乗り物をEV化するとともに、2名乗車可能としたEVサイド・バイ・サイドの復活です。

このEVサイド・バイ・サイドは世田谷区と日本EVクラブが開催した中学生次世代車教室の教材として2007年に製作され2011年まで運用していたのですが、その後はバッテリーの返却とともに倉庫に眠っていました。それを今回のフェスティバルに間に合うよう、復活資金を募ってレストアしたのです。2名乗りフォーミュラはサーキットを走る姿がじつに似合っていました。

サイド・バイ・サイド
オリジナルではエンジンが搭載されていた部分にパッセンジャーが乗る、EVサイド・バイ・サイド

そして、もうひとつの出来事です。それは「自動運転競技車タイムアタック」です。

今年で4年目となる自動運転車のタイムアタックですが、今までの競技ではあまりいい結果は出ていませんでした。しかし、今回は初出走2台を含む全3台がコース1000を一周して見事にゴールを果たしたのです。手作りレベルの自動運転車がここまで進化したという事実はある意味脅威でもあります。

自動運転
アイシンの有志で製作された自動運転車の「MM1号」
自動運転車2
デンソーの有志による自動運転車「DENSO-自動運転ERK」
自動運転車3
自動車開発ツールの専門会社dSPACEが製造した「Micro Auto Box」はホンダのモンパルがベース

自動運転車として出走した3台のうち2台はカートをベースとしたもの、1台はホンダのシニアカー「モンパル」をベースとしたものでした。いずれもゆっくりではありますが、コースアウトすることなく、つくば1000を周回することに成功しています。

EVコンバートレーススタート
EVコンバートレースのスタートシーン

(文/写真・諸星陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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