【動画】東レ・カーボンマジック奥社長に聞いた「コンセプトカーI to P(アイトップ)の制作秘話

内閣府が統括する「革新的研究開発推進プログラム(略称ImPACT)」から生まれたコンセプトカー「I to P(アイトップ)」。超薄膜化と強靭化を可能にする「しなやかポリマー」を、車体骨格からウィンドウ、タイヤ、足回りとあらゆるところに使ったEVです。

この「I to P」の生みの親とも言える東レ・カーボンマジックの奥明栄社長に、モータージャーナリストの両角岳彦氏がインタビューした動画が公開されました。

2018年9月18日、東京・お台場の日本科学未来館でおこなわれた「しなやかポリマー全国技術説明会」に「I to P」が自走で登場します。

クルマの周りはすごい人だかり。

クルマの前に奥社長が登場。「自分のやったコンプリートカーとしては、2008年のS102 ル・マンカー以来です」

「材料は目に見えにくいんです。新材料をクルマに使うとどんな効果があって、なにがうれしいんだということを表現するために作りました」

(3人乗りにしようっていうのはカーボンマジックの中で考えたんですか?)「いえ、最初から(このコンセプトでした)」

「もともとポリカーボネイトとかアクリルはレーシングカーで使っているので、そういう成型メーカーと協力しました」

「クルマ作りという点からいうと、吸気、排気、オイル、水がないから部品点数が圧倒的に少ない。そういうスパンで組み立て日程とか考えると、『もうできた!』という感じです(笑)」

鉄やガラスなど既存の素材にとって代わり、未来のクルマを一変させる可能性を秘めたポリマー技術。そのすごさを凝縮した「I to P」は、今後も注目されるプロジェクトとなりそうですね。

(クリッカー編集部)

この記事の著者

両角岳彦 近影

両角岳彦

自動車・科学技術評論家。1951年長野県松本市生まれ。日本大学大学院・理工学研究科・機械工学専攻・修士課程修了。研究室時代から『モーターファン』誌ロードテストの実験を担当し、同誌編集部に就職。
独立後、フリーの取材記者、自動車評価者、編集者、評論家として活動、物理や工学に基づく理論的な原稿には定評がある。著書に『ハイブリッドカーは本当にエコなのか?』(宝島社新書)、『図解 自動車のテクノロジー』(三栄)など多数。
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