「イスリート」でゆるスポーツへ追求。TS TECHはシートとセンサーで先を見据える【東京モーターショー2019】

■座るだけではない、自動車シートの新たな可能性を紐解く

これまでのクルマのシートには、安全性・快適性が高く求められ、より居心地のいい空間づくりのための、道具として研究開発が進められてきました。今回、ティー・エステックが提案する運動できるシートは、自動運転化を目指すモビリティ社会の中で、クルマの居住環境を大きく変化させる重要な提案です。

イスリート1
先端技術とシートを組み合わせた体験型ブース

●座りながら運動する「ゆるスポーツ」の可能性

東京モーターショー2019、有明会場に設置されたティー・エステックブースには、高い快適性とIoT技術を駆使したシート、「イノヴェージ」が展示されています。これからの自動運転社会を見据え、車内での快適性を最大限まで高め、心拍測定や姿勢検知などのセンサー技術を多く用いた、動くリビングルームのような空間演出が行われています。

イノヴェージ
視覚、触覚に心地よく働きかけて最上級の空間を演出するイノヴェージ

これと並んで展示されているのが、「愛されるシート」です。座ると誰しもが不思議と笑顔になってしまうこのシートの最大の魅力が「イスリート」体験です。シートの座面に高性能センサーが組み込まれており、座っている人の重心移動や動きを検知します。この機能を使い、ゲーム感覚で座りながらの運動を可能にしたのが「ゆるスポーツ」であり、子供から大人、年齢や性別、障がいの有無など関係なく楽しむことができます。

現在は、クルマに乗車中の同乗者や、クルマが駐車されている状態でのレクリエーション利用が主として考えられていますが、今後はクルマのシートという枠を飛び出しての活用にも注目されています。

●イスリート体験はメガウェブで

イスリート2
初のイスリート体験は貴重な技術体験機会です。

シートに組み込まれたセンサーを使ったイスリート体験は、青海会場の隣、メガウェブにて行うことができます。ゲーム内の決まったコースを、シートに座りながらの重心移動と、体を横に振る動きで進んでいき、ゴールを目指すというものです。

イスリート3
好きなキャラクターを選び、ゲームがスタートします。

ティー・エステックは、ホンダ・ステップワゴンの2列目シートの供給をしており、イスリート体験を行うシートは、ステップワゴンに採用されているセカンドシートです。シート表皮はモケットですが、触り心地が良く、座面・背面ともに厚めで弾力のあるシートになっており、非常に座り心地の良いシートでした。このシートが4脚並んでおり、イスリートゲームは4人で行うことができます。

イスリート4
スッポリと体が落ち着くシートに仕組まれた高性能センサーが、イスリート体験を可能にします。

ゲームでは、自分好みのイスリートキャラクターを選び、直線コースの中の緩斜面と急斜面を進んでいきます。緩斜面では座面の中心付近に、体の重心を移動させ、その位置をキープすることでキャラクターが進んでいき、急斜面では、座面の左右交互に重心位置を移動させることによって、キャラクターが坂を上っていきます。

もちろんシートに座りながらのプレイになりますが、筋肉の動きや重心の位置を意識させられる動きが中心になり、息切れなどをする激しい運動ではないものの、運動機能向上につながるアトラクションになっていました。

●福祉利用、リハビリテーションをどこでも行える時代へ

メーカーの説明員は「現在のところレクリエーションとしての利用がメインとなるが、今後は福祉や看護、介護などの分野でも利用することができるような仕組みにしていきたい」と話していました。

人間工学を活用し、座り心地の良い、ドライビングしやすいといったシートは、現在でも多くのクルマに搭載されており、この分野の研究開発は一定の高いレベルまで達したと思います。今後は、IoT技術と融合させ、センサーを上手に使った、新たなシートの機能性が高められていくことでしょう。

このセンサーを埋め込んだシートが、医療福祉分野、特にリハビリテーションの分野において、一定の役割を果たしていく時代も遠い未来ではありません。移動しながらクルマの中でのリハビリ活用ができるようになると、障がいを持った方でも、より長い時間、より遠くへ、クルマをつかって出かけることもできるようになります。特別な場所に行かなければ受けられなかった医療や介護のサービスを、幅広く様々な場所で提供できる社会にもつながっていきます。

様々な人が、快適に、安全に外出できる環境をシートから作り出す、ティー・エステックの今後の取り組みに注目していきましょう。

(文・写真:佐々木 亘)

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