●様々な可能性を秘めている新素材「サシム」とは?
2019年10月25日から一般公開をされている第46回東京モーターショー2019。南展示場4階にはタイヤをはじめ、様々なサプライヤーのブースが並んでいます。その数多くあるブースの中からブリヂストンを紹介します。
ブリヂストンブースではタイヤの新製品として、ドライ性能を向上させるとともにウエットとコンフォート性能にも配慮したポテンザS007Aをはじめ、静粛性・乗り心地・運動性能を高次元でバランスさせたレグノ GR-XIIそして、スタッドレスタイヤのブリザックVRXIIを展示しています。
これら市販されているタイヤ以上に注目なのが、トヨタと開発している国際宇宙探査ミッションにおいて「有人予圧ローバ」が月面を走破するためのタイヤ(接地体)や灯走行中に道路からワイヤレスで電気自動車のインホイールモーターへ給電可能なタイヤなどのイノベーション展示です。
そのイノベーション展示の中でも、最も注目度が高くプレスカンファレンスで発表されたのが「サシム」と呼ばれる新素材です。このサシムはブリヂストンが独自で開発した素材で、ゴムと樹脂を分子レベルで結びつけた世界初のハイブリッド素材HSR(ハイストレングスラバー)です。
このサシムは天然ゴムと比較すると亀裂性が5倍以上、耐摩耗性2.5倍以上、引っ張り強度1.5倍以上という非常に強いです。さらにゴムは1度切れたり、破れたりすると修復できませんが、このサシムは熱を与えると復元するという特徴があります。
また、現在タイヤは黒いですが、このサシムはどんな色にもすることが可能で、今回3Dプリンターで製作し展示されているタイヤも硬い部分は白く、そして柔らかい部分は赤く着色されています。また、ジェル状や粒状など様々な形状でも存在するのも特徴です。
自動車や二輪車のタイヤはもちろんですが、サシムという素材は様々な可能性を秘めている素材なのです。ブリヂズトンブースでは、11月2日まで出展された製品に関してのトークショーが開催されます。サシムのトークショーは10月31日となっています。気になる方はぜひ。
(萩原文博)