【サーキット女子に聞いたモータースポーツの魅力】その8・大谷芽衣さん「レースやチームへの愛があるからこそ、サーキットに戻ってきたかった」

●レースはみんなが主役、そんなサーキットに毎週いられることが幸せ

とかく男の世界と思われがちなモータースポーツの世界。ところが最近は競女カップやWシリーズなど、ドライバーを女性限定にしたカテゴリも発足するなど、モータースポーツに関わる女性も増えてきました。

そんなモータースポーツの中でも、ドライバーとしてではなく、あくまで主役を支えるかたちでモータースポーツに関わっている女性たちは、一体どんなところにモータースポーツの魅力を感じているのでしょう?そんなちょっとした疑問を、実際にモータースポーツの現場にいる女性に聞いてみようというこの企画。

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Hitotsuyama Racingのホスピタリティサポートでサーキットに帰ってきました

第8回目は、長年スーパーGTのレースクイーンとして活躍された、めいちゃんこと大谷芽衣さんにお話を伺いました。

──まずはめいちゃんの経歴から教えて下さい

よろしくお願いします。実は経歴…あんまり良く覚えてないんです(笑)

今まであまり公に話したことないんですけど、レースクイーンデビューはスーパーGT開幕戦の鈴鹿で雪が降った時でした。(※2006年筆者調べ)この時は名前も違ってスポット参戦だったので開幕戦しか行ってないんですけどね。

大谷芽衣としてレースクイーンデビューしたのは2009年にフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)のローソン・チームインパルで、その後は若干のブランクもありつつ、今回もお世話になっているAudi Team Hitotsuyamaさんで去年レースクイーンを引退、最後は卒業式までやっていただきました。

今シーズンは今回スポットでHitotsuyamaさんのホスピタリティサポートをやらせていただいてますが、その他にスーパー耐久でも同じくホスピタリティサポートを、それとHitotsuyamaさんが手掛けているAudi A1 Fun Cupのお手伝いもやらせていただいています。

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Hitotsuyama RacingさんはスーパーGTだけでなくTCRJやAudi A1 Fun Cupなども手掛けています

──10シーズン以上レースクイーンとして活躍されたんですね。そんなレースクイーンになったきっかけって何だったんでしょう?

高校生くらいの時、GTプラスの前身の激G(※激走!GT、当時は日曜夕方放送)をテレビでたまたま見かけて、それで初めて4輪レースっていうものを知って、これ生で観てみたいな、現地で観てみたいなって思ったんですね。

当時高校生だったので、これを生で観るにはどうしたら良いんだろう?と、いろいろ考えていたんですが、その頃ってデジっ娘(※ダンロップキャンペーンガール)とかが激Gにバンバン出演していた頃で、そこでレースクイーンっていう職業があるんだということを知りました。

レースクイーンになれば可愛いコスチュームも着れてレースにも全部行けて、もちろん現地でレースも観れるんだって思って、それじゃあレースクイーンになろうって(笑)その時は自分のルックスとか何も考えずに、じゃあなればいいじゃんみたいな軽いノリでした。

──それで自分から事務所に入ってという感じですか?

そうですね。ただそれもどこに入って良いのか全然わからなくて、最初は名古屋のイベントコンパニオン事務所に入って、頑張っていたらいつかはレースクイーンになれるのかなって思って名古屋のイベントや展示会とかに出ていたんですけど、たまたま東京モーターショーのオーディションがあって、そこで受かってモーターショーに連れていってもらったんです。

その流れでその当時入っていた事務所が業務提携していた東京の事務所からオーディションを受けて、レースクイーンとしてデビューした感じですね。

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見かけによらず?行動派のようです

──すごい行動力ですね!そんな行動力がレースクイーンになれた最大の理由のようですが、元々クルマにも興味はあったんですか?

正直車にはあまり興味がなかったと言うか、周りに車好きっていう人や環境が家族含めてなかったですね。本当にたまたまやっていたテレビを見て鳥肌立つほど感動しました。単純にかっこいいなぁって。今でも車に興味があるというよりも、レースが好きっていう気持ちが強いです。

なのでレースクイーンになってからは、レースが好きっていう気持ちだけで1シーズン3〜4カテゴリのレースクイーンをやらせていただいた時期もありました。それだけやっているとほぼ毎週レースで空いたところで撮影会みたいなスケジュールでしたね。

でもそれだけ忙しくてもそんなシーズンはすごく幸せな1年で、毎年毎年そういうシーズンを過ごせた事で凄く幸せを感じていました。

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サーキットにいることがとても幸せそうな笑顔です

それが今年、当たり前のようにあったものがなくなって、どうしたら良いんだろうって。去年も実は辞める時不安でいっぱいでした。今まで当たり前のようにあった幸せがなくなるんだなって。だから今年シーズン始まって自宅でレースを観ていてちょっと涙が出てきました。私なんであそこにいないんだろうって。そのくらいレースは今でも好きです。

そんな気持ちもあって、サーキットに戻ってきたいっていう気持ちはもちろんあったんですけど、そんな中でもやっぱり去年一昨年と2年間Hitotsuyamaさんでお世話になった時に、本当にチームの皆さんがすごい良くしてくださったんですね。それで今度は逆に私がなにかお手伝いできることはないのかなっていう気持ちがあって、そんな時にちょうどチームの方からお声をかけていただいて、Hitotsuyamaさんだからこそ戻ってきたっていう気持ちが凄くあります。

お世話になったチームへの愛って言ったら良いんですかね?そんな気持ちです。

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「チームへの愛」いい響きです

──「チームへの愛」いい言葉ですね。レースへの愛も凄く感じました。具体的にはレースのどんなところが好きですか?

んー、正直なかなかうまく言葉に言い表せないんですが、テレビからだけじゃ伝わらない迫力とか、体に響いてくるエンジンサウンドだったり、そういうのももちろんなんですけど、やっぱり現地に来て楽しんでいるお客さんたちの笑顔だったり、一緒に興奮したり悔しんだり、チームスタッフだけじゃなくてチームを応援している観客の皆さんも一体となっている感じが凄く好きです。そしてそんなお客さんの表情を見ているのも凄く好きです。

最初の頃はそこまで考えている余裕はなかったですけど、慣れてきてからはそういう事に気づきました。そういう意味では特にキッズウォークの時間が好きです♡ お子さんたちのキラキラした無邪気な瞳だったり、そういうのを見ているのが好きですね。

──めいちゃんのレースへの愛がこちらにも溢れるほど伝わってきます(笑)では最後にクルマやモータースポーツ好きの方へメッセージをお願いします

レースってみんなが主役だと思うんです。ドライバーさんがいて、メカさんやチームスタッフがいて、レースクイーンがいて。メディアさん、サーキットの方々やレース運営の皆さんだったり。そしてもちろん応援に来てくださる皆さんも!欠けていい役割なんてない。だからみんなが主役だと私は思います。

応援に来てくださる方々もいるからレースが開催できて盛り上がる。これからもみんなでモータースポーツを車業界を盛り上げていけたら嬉しいです!

まだサーキットに来たことがない方も是非、サーキットにはご当地グルメなどもあって心もお腹も楽しめますので遊びに来てほしいです!あと友達も増えます!

私はプライベートでサーキットに行った時、同じチームを応援する仲間たちと出会い仲良くしてもらって、仲間たちに会えるのもサーキットに行く楽しみの1つだったりもしましたよ!

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モータースポーツファンのあなたもレースの主役です、と話す大谷さん

大谷さんの話からは、本当にレースやチームへの愛が、そしてモタスポファンの皆さんへの愛がひしひしと伝わってくる、アツいインタビューとなりました。

ここまで人をアツくさせるモータースポーツ、もしまだ感じたことのない方がいれば、こんな愛に満ち溢れたチームの応援に来るだけでも十分楽しめるのではないでしょうか?

それではまた次回もお楽しみに!

(H@ty)

【関連リンク】

Audi A1 Fun Cup
http://hitotsuyamagmbh.jp/a1funcup/