路面に画像投影が可能なヘッドライト! 10月から新社名になったマレリ(MARELLI)が出展【東京モーターショー2019】

■ヘッドライトがドライバーや他車とコミュニケーションする

日本のカルソニックカンセイとイタリアのマニエッティ・マレリは2019年10月に統合して、「マレリ(MARELLI)」に社名変更しました。両社が結び付くことで2018年度の売上高は2兆円を数え、世界トップ10のサプライヤーの仲間入りを果たしたことになります。

社長
マレリのベダ・ボルニウスCEO。マレリは8月に中国の会社と戦略的パートナーシップを締結し電動コンプレッサー事業を強化するなど、着々と事業を拡大しています。
F1
マレリの部品はF1をはじめとするレースでも活躍しています。写真はマクラーレン・ルノーのF1マシンです。

「マレリ」として東京モーターショーに出展するのは今回が初めてとなったわけですが、そのブースで目を引いたのは、DLP(デジタル・ライト・プロジェクション)と名づけられたヘッドランプです。

ライト単体
130万個のマイクロミラーを用いたデジタル高精細ライト。

内部は1.39平方cmという小さなスペースに130万個ものマイクロミラーが並べられており、そこに3つのLEDを照射することで、単に対象物を明るく照らすだけでなく、路面に様々なグラフィックを描くことができます。

例えば制限速度の数字だったり、前方に歩行者がいた場合は注意喚起のための矢印だったり、適切な車間間隔のラインだったりと、様々な用途が考えられます。また、「ウェルカム」や「またね!」などの言葉を表示して他車とコミュニケーションを図ることも可能となります。

工事中
前方に工事現場がある際は、グラフィックを前方の路面に表示してドライバーに注意を促します。
またね
記号だけでなく文字も投影できます。
グラフィック
130万ピクセルあるので、こんなグラフィックだって映し出しせます。

じつはこのDLP、すでにメルセデス・マイバッハSクラスに搭載され世の中に出回っている技術なのですが、法規の関係でドイツでしか利用できないそうです。日本の路上でも利用できるようになれば、あおり運転のようなギスギスした問題の解消にも繋がるかもしれませんね。

ヘッドライト
メルセデス・マイバッハSクラスのヘッドライト。内側(向かって左側)にDLPは装着されています。
メルセデス・マイバッハSクラス
マイバッハSクラスは日本でも販売されていますが、残念ながらDLPは装着されていません。

(長野達郎)