■スポーツカーに匹敵するの高いパフォーマンスを発揮する未来のラグジュアリーセダン
2019年10月23日、東京モーターショーのメルセデス・ベンツブースに圧倒的な存在感をもつクルマが出展されました。これがショーカーの「Vision EQS」です。
Vision EQSはこれまで、メルセデス・ベンツの代名詞となってきた「技術革新」「責任」「強烈な個性」といった課題を全てクリアした、今後導入される大型電気駆動ラグジュアリーセダンの表現したモデルなのです。
Vision EQSの前後に長い「ワンボウ」型のプロポーションは、メルセデス・ベンツの電動化モデルであるEQモデルに採用されたデザインの基本思想「プログレッシブラグジュアリー」に新しい境地を切り開きました。また、シームレスな外観によって堂々とした存在感を醸し出しています。
ボディ周囲360度を取り巻く“lightbelt”がブラックパネルのLEDマトリックスグリルやヘッドライトとリアのランプを結びつけるデザインから生まれるコントラストによってダイナミズムを強調しています。
Vision EQSの特徴的な装備は、新型DIGITAL LIGHT ヘッドライトです。採用したホログラフィックレンズモジュールは毎分2000回を上回る速さで回転し、特殊な制御によって異なるホログラフィー画像を生み出すことができます。
Vision EQSのインテリアは従来の材料に加えて、先進技術を駆使した材料も採用しています。シートに用いたクリスタルホワイトのマイクロファイバー「レザーDINAMICA」にはコントラストとなるダイヤモンドパターンのステッチ末端にローズゴールドのハイライトをあしらっています。また、ルーフライナーは「海洋ゴミ」プラスチックを一定割合含んだ特別ケースとなっています。
搭載されているパワートレインは総合出力350kW以上というスーパースポーツカー並のパフォーマンスを発揮する電気モーターを採用。小型の高性能電気モーターを各アクスルに備えることにより、EQパフォーマンスの新たな基準を作り出しました。航続走行距離はWLTPサイクルで最大700kmを実現。またバッテリーの充電時間は急速充電器を使用した場合、80%まで充電するのに必要な時間は20分未満となっています。
Vision EQSは直感的対話型操作を実現する進化型のMBUXやレベル3の高度な自動運転機能を採用することでドライバーをサポート。さらに将来的にはモジュール型センサーシステムを搭載することで、自動運転レベルを完全自動運転まで拡大することが可能となっています。
メルセデス・ベンツが目指す、今後20年で新車全体のCO2排出量の収支ゼロを実現するためにはこのVision EQSのようなモデルの市販化が絶対条件となるでしょう。
(萩原文博)