■着脱可能なバッテリーをシート下に2個収納
環境面において「カーボンフリー社会の実現をリードする」という方針を掲げているホンダ。二輪では高い稼働率と定常的なルートが想定されるビジネス向けのモデルが有効と考え、開発を行い登場させたのが「BENLY e:(ベンリィ・イー)」と「GYRO e:(ジャイロ・イー)」の2台です。
ビジネスシーンで多く活用され、実績のあるベンリィとジャイロをベースとし、共にPCXエレクトリックで採用されているホンダモバイルパワーパック2個を動力源としたEVシステムを採用しています。
ベンリィ・イーとジャイロ・イーでは車体的な構造の違い(ベンリィが二輪とジャイロが三輪)はありますが、フロント周りやメーターの作りは同様。また、シートの下に着脱可能なバッテリーを格納する方式も共通で、充電が簡単にできる利便性の高さがポイントとなっています。
バッテリーの容量は1つ1Kwで、充電は専用の充電器で行い、満充電にかかる時間は約4時間。航続距離はPCXエレクトリックとほぼ同等の41km(60km/h定地走行テスト値・1名乗車時)で、走りもベースとなったエンジン車両と同等を実現しています。また、両モデル共にリバースボタンが装備されているので、バックをすることも可能です。
メーターはフルデジタル。バッテリーの残量が数値で表示されるので分かりやすく、バッテリー充電のタイミングも測れて不安なく使うことができます。
電動ならではの静粛性や走行時に排出ガスを伴わない環境性能の高さ、そしてレスポンスの良い走りといったメリットは、早朝または深夜の配達業務や食品のデリバリーなどのシーンでその威力を発揮することでしょう。今後、ビジネスシーンで使われるようになることで、一般の人たちもモビリティの電動化を身近に感じさせることができ、e-BIKE(電動バイク)に対する見方に変化が起きるかもしれません。
ベンリィ・イーの発売は来春の予定で、ジャイロ・イーはもう少し後の予定となっています。まずは、東京モーターショーの会場で新たなビジネスモビリティに触れてみてください。
(文・写真:安室淳一)