従来の1/4の重量でロードノイズを遮音する夢の遮音材を開発【ニッサン インテリジェント モビリティ テクノロジーツアー】

●日産自動車が開発中の新しい遮音材「音響メタマテリアル」を公開

クルマには、ロードノイズや風切り音、エンジン音などの騒音を遮断すべく、遮音材、吸音材、制振材が随所に使われています。こうした音、振動を遮断、遮音したり、吸音したりする素材を使うほど重くなり、コストも高くなるという相反する課題を抱えているのが一般的です。

日産自動車 音響メタマテリアル
日産自動車が開発中の音響メタマテリアルは、従来よりも1/4程度の軽量化が可能

日産自動車が「ニッサン インテリジェント モビリティ テクノロジーツアー」で公開した(担当者によるとかなり思い切って公開したとのこと)音響メタマテリアル(アコースティック・メタマテリアル)と呼ばれる遮音材。周期構造と膜からなる軽量な遮音材料です。

一般的な遮音材と比べると、重量は1/4程度ですみ、遮音性能に優れるのが特徴です。

日産自動車 音響メタマテリアル
左が音響メタマテリアル、右が一般的なカーペット

プレゼンでは、ノイズの上に普通のカーペットと重ねた状態と、この音響メタマテリアル(膜付)を置いた状態で比較。ノイズの遮断がまったく異なり、音響メタマテリアルの抜群といえる遮音効果も確認しました。

日産自動車 音響メタマテリアル
ロードノイズ発生装置の上で遮音効果を比較

まだ、実用化まではまだ時間が必要なようで、「どこに置くのか」最適な配置を探るのにまだ時間がかかるそう。最も遮音材として効果があるのかロードノイズの遮音で、フロアに置くのが最適だそうです。最も効果的なのは、タイヤ由来の音をホイールハウスに内装材(あるいは鉄板と内装材の間)に配置することだそう。

日産自動車 音響メタマテリアル
膜との組み合わせで遮音できる音響メタマテリアル(写真右)

使い方としては、アコースティック・メタマテリアルと膜1枚と組み合わせる、あるいはどこにでも配置しやすいゴムと組み合わせる、重量の利点は減るものの、薄い板1枚と組み合わせるのもアリとしています。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、日産自動車)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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