●新時代の高性能油冷エンジンを搭載
油冷エンジンといえば、スズキならではの技術として、血が騒ぐファンも多いのではないでしょうか? そのスズキ油冷エンジンが最新の技術を駆使して生まれ変わり、250ccスポーツバイクに搭載されました。それがこのGIXXER(ジクサー)と、フルカウルモデルのGIXXER SFです。
空冷では性能に見合った十分な冷却性能が確保できない。しかし水冷までは必要ない。そこで、スズキはこの新エンジンに油冷という冷却方法を選択しました。
しかし、1985年に登場した油冷システムSACSとはまたひと味ちがいます。かつてのSACSでは2箇所からオイルを供給し、いわば点でエンジンを冷却していたのですが、今回は長い流路を持ったオイルジャケットで、いわば線、いや面のように燃焼室周辺を冷却するのです。これによりオイルで冷却できる面積はSACSに対して30倍にもなったそうです。
この長いオイルジャケットは、鍛造技術の進化で実現したものだそうです。油冷にすることにより、ラジエターや冷却水は不要。そしてエンジン本体外側の冷却フィンも不要。
そのため構造はシンプルになり、単気筒、SOHCということもあり、軽量・コンパクトでしかも低コストながら高出力のエンジンを実現したのです。出力は26.5馬力で、車重はインドで販売しているモデルで156kg(GIXXER)と161kg(GIXXER SF)。日本モデルのほうがやや軽くなる見込みです。
これにより価格を抑えることにも成功し、250ccのエントリー的なモデルとして若者も購入しやすいモデルになっています。
カウル以外で、GIXXERとGIXXER SFの大きく異なるところはハンドルの形状と灯火類で、ネイキッドのGIXXERはバーハンドル、フルカウルのGIXXER SFはセパレートハンドルになっています。それもあって、ライディングポジションもGIXXERのほうがアップライトです。
もちろん若者にかぎらず、ベテランライダーでも気軽に買えて扱いやすいモデルだといえそうです。
(まめ蔵)