●エクストレイル級のサイズに配された最新のデザイン言語は日産の「次」を示す
世界初公開された「ニッサン アリア コンセプト」は、EV専用プラットフォームを使って仕立てられたコンセプトカー。
将来の軽自動車像を提案した「ニッサン IMk コンセプト」と同様に、コンセプトカーらしい先進性と、日本の伝統的な要素が融合されたデザインも見どころになっています。「粋(IKI)」「間(MA)」「整(SEI)」「傾く(KABUKU)」といったキーワードがそれです。
なお、ボディサイズは、全長4600×全幅1920(ドアミラーのぞく)×全高1630mm。デザインスタディですので、とくに全幅はワイドになっていますが、エクストレイル級サイズのクロスオーバーEVになっています。
「スリーク」「シームレス」「シック」というキーワードが反映されているエクステリアデザインは、ワイドなフロントフェンダー、超極薄LEDヘッドライト、輝く日産エンブレムが配されたフロントシールドなど、日産の新たなデザイン言語の要素が散りばめられています。「Vモーションシグネチャー」が発光すると、シールドに組み込まれた幾何学模様がかすかに浮かび上がるようになっています。
専用タイヤが目を惹くサイドビューは、5本スポークの21インチ大径アルミホイール、風を切り裂くような低くてスリークなルーフラインが特徴。さらに、寝かされたCピラーと、力強いリヤビューも印象的で、ボディ幅いっぱいにデザインされたテールランプ、豊かな広がりが表現されたリヤフェンダー、高い位置に配置されたリヤウイングにより、フォルム全体の力強さが強調されています。
ボディカラーの「彗星ブルー」は、見る距離により表情を変え、外観にアクセントを付与。遠くから見ると深いブルーでマットな印象をもたらし、近くで見ると塗料に含まれる大きなガラスフレークの効果により、夜空に輝く彗星のような無数の非価値の屈折が映し出されます。
さらに、アクセントカラーの新色「カッパー」がルーフラインやホイールに沿って配置されています。こちらは、古くから工芸品に銅が取り入れられてきた、日本の伝統への敬意が表されているそう。
EV専用プラットフォームの恩恵が感じられるインテリアは、フラットフロアが特徴。インパネとドアパネルがシームレスにつながり、一体感のあるすっきりしたダッシュボードが広がります。
インパネには、ハプティック(触覚)操作ボタンが表示され、物理スイッチは、スタートボタン、12.3インチディスプレイモニター用の操作ノブ、エアコン表示ボタンのみとなっていて、インパネ木製部分に美しく組み込まれています。また、インパネやシート、ステアリングにサテンと、カッパー色のアクセントカラーが使われています。
「リアルカー」を標榜する「ニッサン アリア コンセプト」。こうしたデザイン言語も「リーフの次」の市販化EVなどに反映されるはずです。
(文/塚田勝弘 写真/長野達郎、日産自動車)