世界初公開されたクロスオーバーEV「ニッサン アリア コンセプト」は、リーフの次を見据えた次世代EVの提案【東京モーターショー2019】

●日産EVのビジョンを示すコンセプトカー「ニッサン アリア コンセプト」

量産EVとして世界をリードしている日産・リーフ。その先を見据えたコンセプトカーがクロスオーバースタイルが与えられたEVコンセプトの「ニッサン アリア コンセプト」です。

コンセプトカーではあるものの、日産では「リアルカー」という位置づけをしていて、同コンセプトカーの要素技術や考え方が「次のEV」に盛り込まれることになります。

ニッサン アリア コンセプト
リーフの次を提案するクロスオーバーEVの「アリア」は、ツインモーター+4WDを搭載

コンセプトは「User Experience Revolution」で、「本物の未来のクルマが体験できる」としています。ツインモーター4WDを採用し4輪を細かな制御することで、新しいEVの走りを提案。前後モーターの制御をシームレスにすることが可能になり、スムーズな加速に加えて、上屋の動きが抑えられ、ハンドリングや乗り心地の面でも大きな進化が期待できるとしています。

新世代のEV+4WDは、日産が培ってきたATTESA(アテーサ)E-TSやエクストレイルに搭載されている、インテリジェント4×4などのノウハウを基に開発されているそう。

「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」を掲げる同社では、「Intelligent Power」の電動化だけでなく「Intelligent Driving」も3本柱のひとつにしています。「Intelligent Driving」として、自動運転の高度化はもちろん、運転の楽しみを提供し続けたいという想いも込められています。

ニッサン アリア コンセプト
最新のHMIが採用されたニッサン・アリア・コンセプトのインパネ

自動運転技術では「プロパイロット2.0」が搭載されます。「アリア」では、同運転支援システムの作動時にインテリアのライトが切り替わり、ハンズオフ走行が可能になると、室内空間がリラックスできる雰囲気に変わります。さらに、開放感もあるキャビンは同乗者とより楽しいドライブが楽しめるように設計。次世代のHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)とコネクテッドカー技術により新しい運転体験、走行体験ができるとしています。

また、「Intelligent Integration」として、スマホとカーナビがシームレスにつながる「ドア ツー ドア ナビゲーション」、ドライバーが「アリア」に近づくとウェルカムライトが点灯し、自動でロックが解除され、シート位置やエアコンなどが自動設定されます。スタート前には「バーチャル パーソナル アシスタント(VPA)」がナビゲーションを開始し、同アシスタントがすべてナビや情報検索などをしてくれるそう。ほかにも、経由地や充電スポットの検索、充電の際に充電スポットに近づくと自動で充電口が解錠され、鮮明な色で充電状況の確認も可能になるとしています。

ニッサン アリア コンセプト
フラットなフロア、ルーミーなキャビンも特徴

「Nissan Energy(ニッサン・エナジー)」にも接続が可能で、自宅やビルなどに駐車時には、蓄電した電力を住居やオフィス、電力網に供給するような給電のコンセプトも盛り込まれています。

コンセプトカーの「アリア」は、次の日産・リーフを見据えた日産EVの将来ビジョンであり、「リアルカー」とも位置づけていますから、数年後、同コンセプトカーを元にしたような新世代EVの登場が期待されます。

(文/塚田勝弘 写真/長野達郎)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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