ド突き合い格闘技系の韓国レースで、井出有治選手ただ今完走記録を更新中!【韓国・SUPERRACE ASA6000 第5/6/7戦】

clicccarテストドライバーの井出有治選手が2019年に参戦している韓国・SUPERRACE ASA6000クラスは、とにかくスタートと同時に格闘技並みのド突き合いが繰り広げられる激しいレースです。しかも、突如現れる謎のレギュレーションによりペナルティを食らってしまったり(泣)。

Rd.6スタート前
バタフライドアは蝶番で留めています…!

でも、井出有治選手とKUMHO ECSTA RACING TEAM(クムホ・エクスタ・レーシングチーム)の凄いところはそんな格闘技的レースの中、2019年第7戦終了時までの20戦以上(多分22戦!?)も完走記録を出し続けていること。それは、ボディアタックを何度も食らいマシンの前後左右がボッコボコになっても、チームが必死に修復しコース上に復帰させ、また痛んだマシンでもゴールまで持って行ける井出選手のドライビングテクニックがあるからこそ!

今回は8~9月に行われた第5戦、第6戦、第7戦の模様をお届けです。例にもれず…激しい展開です!(clicccar永光やすの)

■暑い!重い!! インに飛び込んできたミサイル攻撃をかわしてなんとか7位です

【SUPERRACE ASA6000 Rd.5】
2019年8月3-4日
Korea International Circuit
#07 Ide Yuji 予選12位/決勝7位

ウェイトハンデ40kgのせいでテストからバランス的にイマイチなマシン…。しかも暑くて路面温度は65度!! コースでランニングもできないほどです。

Rd.5ピットにて
日本も暑かった2019夏ですが、韓国も過酷な暑さがキツイ~!

予選はウェイトのせいでQ3まで進めず、12位からスタートです。でも、落ち着いてポジションを上げていけば上位入賞も十分に可能な位置。

ローリングスタートから激しい中段グループでのポジション取りに失敗…2台に抜かれ、落ち着いたところから少しずつポジションを上げて行こうとした、その時! 2台後ろのクルマが無理矢理インに飛び込んできて、ボクの前を走るクルマに激突! ありえない…。

Rd.5予選
最近は危機察知能力も備わり、ミサイル回避ができるようになってきました!

しかし、最近は『危機察知能力』が上がったこともあり、ターンインで後ろにいたのとは違うカラーのクルマが一瞬ミラーに見えたので、ヤバイ!と思いなんとか回避できたけど、ココで3〜4台にパスされて14番手まで落ちて仕切り直し。その後は12位、10位、9位、そして大バトルの末16周目には7位へ! ラストまで6位のマシンを追いかけ回すものの、結果、7位でゴール。だけど次戦はハンディウェイトも軽くなるのでちょいラッキー、かな?

Rd.5ピットにて
今回のRd.5はブランパンGTアジアレースとの併催でした。

■チーム全員重い(ウェイトハンデ)、ダートに押し出されるも5位を死守!

【SUPERRACE ASA6000 Rd.6】
2019年8月31日-9月1日
INJE SPEEDIUM
#07 Ide Yuji 予選11位/決勝5位

今回から、スーパー耐久やSUPER GTレースで今、絶好調の藤波清斗選手がチームに加わり、ECSTA RACING TEAMは3台体制になりました。

Rd.6スタート前
今回からS-GTやS耐久でも活躍している藤波清斗選手(前列右)が加わり、3台体制になりました!

途中参戦の藤波選手は80kg、ジョン選手は40kg、ボクが10kgのハンディウェイト…。チームみんな、フリー走行からイマイチ調子が悪く、あれこれとセッティングを変更したけど、ボクは予選でQ3へ0.1秒足りず11位。

決勝レースはオープニングラップで4台抜いたけど、なかなかペースが上がらない状態で抜いたり抜かれたり。途中のバトルも覚えていないくらいキツかった~!

Rd.6レース
3ワイドでコーナーへ! 一番イン側がボクです。ヤバい…。

後から聞いた話、17周目、3ワイドでコーナヘ突っ込むIN側のボクに隣のクルマがぶつかってきて6位へ後退。その後20周目、今度はダートに押し出されるも6位をキープ、だそうです(笑)!

Rd.6レース
青いマシンに押し出しを食らってダートへ…。

ファイナルラップもなんとか後ろを抑えて5位でフィニッシュ。フリー走行から予選、決勝すべてのペースが悪い中で5位はまずまず…かな?

■コースインを阻止されるわ、路上駐車車両がいるわ…超危険!

【韓国SUPERRACE ASA6000 Rd.7】
2019年9月28-29日
Korea International Circuit
#07 Ide Yuji 予選7位/決勝16位

走り出しからクルマのバランスも良く、今回は上位を狙えそうな感じでしたが…。予選ではQ1、Q2、Q3の全てでクリアラップが取れず7位。が、今回はライバルのハンコックタイヤが用意したタイヤがあまり良くないようで、ボクらのクムホタイヤにとってもチャンス!と、チームで話していました。

Rd.7スタートシーン
スタート即横からのアタックでクラッシュ寸前! アウト側の壁が迫ってきたときはマジ怖かったです!

そして、迎えた決勝。スタート直後のストレート上で横から激突され、コンクリートウォールに当たりそうになるのを何とか回避しましたが、サスペンションアームを大きく損傷。そして、その影響で後方でも混乱があり赤旗中断となりました。

Rd.7修理中
メカニックさんたちの必死な作業でコースに復帰!しようとしたら、阻止されてしまい…。

そのままピットに戻り修復作業を済ませ、同一周回でコースに入ろうとしたら、コースマーシャルが「止まれ!」と前を塞いできました。理由が分からず、チームもオフィシャルに抗議した末にコースインした時には3周遅れ…。またレースコントロールの「素人感」が全開でした(←まぁ、こんなことは毎度毎度起こっているんですけどね)。

こうなると完走を目標とし、次戦に持ち越すタイヤを温存しながらゆっくり走ってゴールしました。

Rd.7路上駐車
こんなところにマシンを路駐するな~! 危険だとは思わないのか? ペナルティ無しっていうのも信じられない…。

ボクは久しぶりにマジで危ない思いをしたのに、相手選手は「自分は悪くなかった!」と言い張ります。しかも、彼はレース後半にフューエルポンプのトラブルでストップしたのですが、高速コーナーのコース上アウト側に「路上駐車」! ドライバーは走って逃げていましたが、他の選手はまだレース中。自分が危ない思いをするのは勝手ですが、まだレースをしているドライバーたちは本当に危険な状態で走らされました。ちなみに、その駐車車両に対してはダブルイエロー・フラッグで対応、ドライバーにもお咎めなし。ウ~ン…。

Rd.6レース
Rd.7までが終了! いよいよ2019も最終戦です。2連続戦開催なので気を抜かずに頑張ります!!

★次戦は2019締め括り! 10月26日にはRd.8、10月27日には最終戦となるRd.9が2日間連続で行われます。まだ2019チャンピオンを取れる権利はあるので、最後まで諦めず、有終の美を飾れるように頑張ります! 完走記録も更新中だしね!!(井出 有治)

(レポート:井出 有治・永光 やすの/画像:KUMHO ECSTA RACING TEAM・井出 有治・GTO Racing・永光 やすの)

【関連記事】

井出有治選手、謎のペナルティにイジめられるも第4戦で2位&フェアプレイ賞GET!【韓国・SUPERRACE ASA6000 第2/3/4戦】
https://clicccar.com/2019/07/25/890836/

FF好きな琴線にビンビン触れたMINIクーパーS & 韓国レースRd.1報告も【井出有治のとにかく楽しかった珍&名車3選・その2】
https://clicccar.com/2019/05/19/816781/

井出有治選手や韓流スターが参戦する韓国のスーパーレース「キャデラック6000」は、生き残りゲーム的サバイバルレース!?【Play Back the OPTION Spin off】
https://clicccar.com/2018/09/14/628894/

 

【関連リンク】

井出有治オフィシャルサイト yuji-ide.com
https://www.yuji-ide.com/

CJ LOGISTICS SUPERRACE CHAMPIONSHIP公式webサイト
http://www.super-race.com/main/main.jsp

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
続きを見る
閉じる