●エアバッグをシートに一体化した「次世代セーフティシステム」も出展
トヨタ自動車工業のゴム部門を母体とする豊田合成。同社は、東京モーターショーにおいて、今後のモビリティ社会に貢献する「CASE」対応技術や、ゴム・樹脂製品の専門メーカーとして提案する「将来のインテリア・エクステリアのコンセプトモデル」などを紹介するとアナウンスしました。同社ブースは、東京ビッグサイトの南展示場 2F (3・4ホール)にあります。
「CASE」関連では、同社の主力製品であるフロントグリルやハンドルなどに、センサーなどの電子部品を融合し、安全を支える機能、魅力的なデザインを両立したモジュール製品や、自動運転時代の新たなエアバッグが紹介されます。
「フロントグリルモジュール」は、カメラやミリ波レーダなど周辺状況を認識するセンシング、運転状態をLEDの光で周囲に伝える「サイネージ」などの機能が搭載されています。
ユニークなのが「ハンドルモジュール」で、ドライバーとシステムが協調してクルマを操作するための「ヒューマン・マシン・インターフェイス機能」が付加されています。カメラとセンサでドライバーの状態を感知する見守り機能や、光や振動などで情報を提示するインフォメーション機能を搭載。このハンドルモジュールは、ジェイテクトのステアリングシステムとの連携により、快適な操作性を実現するそう。
また、自動運転時に想定される乗員の姿勢の多様化に対応するため、エアバッグをシートに一体化した「次世代セーフティシステム」も出展されます。
コンセプトカーの「Flesby Ⅲ」も披露されます。ゴムや樹脂技術が活用された柔らかな車体にAIが搭載され、スキンシップによりコミュニケーションができる相棒のようなクルマ。エクステリアコンセプトには、万一の歩行者との接触時にも衝撃を吸収する「安全機能」、走行シーンに応じて車体形状が最適化される「省エネ機能」などが搭載されます。さらに、インテリアコンセプトには、柔らかく包み込むシートや、シーンに応じて色合いが変わるLED照明などで安らぎを与えるファーストクラス機能などを用意。
ほかにも、体験コーナー(要素技術)として、「Commu-Touchpad」と「e-Float」を展示。前者は、電気で伸縮する次世代ゴム「e-Rubber」の振動を用いて、多彩な触覚を擬似的に再現するハプティクス技術。後者は、高出力、高周波の電力を扱える「縦型GaNパワー半導体」を使い、離れた場所へワイヤレスで電気を送る技術だそう。こうした、将来コンセプトの実現に向けた各種要素技術も体感できます。
(塚田勝弘)