驚異の安心感! 最新スカイラインのハンズオフ運転をチェック

●運転支援制御はハイレベルで感心する仕上がり

マイナーチェンジを受けた最新のスカイライン ハイブリッドには、日産の運転支援システム『プロパイロット2.0』が設定されています。

プロパイロット2.0では専用ナビで目的地をセットした上で高速道路を走行している場合に限り、ドライバーがステアリングから両手を離した状態であっても操舵と加減速の運転支援を行う『同一車線内ハンズオフ(手離し)運転』(以下、ハンズオフ)を行ってくれます。

なお、このハンズオフは完全自動運転を行うものではなく、動作中もドライバーは進行方向や車両周囲の状況に気を配っておく必要があり、運転者の状態は車両側で常時チェックしています。

具体的には、きちんと正面を注視しているかどうかをセンターコンソール上部のドライバーモニター(カメラ)で見ています。

ドライバーがよそ見をしたり居眠りをしてしまったりしていると、運転支援のシステムは中断されることになります。

今回、実際にこのシステムを搭載したスカイラインに試乗してみました。

出発前にナビで、高速道路を使用することを前提とした目的地をセットします。案内が開始され、一般道を走った後、高速道路に入りました。

高速道路本線に合流後、ステアリング手元にある青いプロパイロットの起動ボタンを押します。

システムから確認が表示されますので、同じくステアリングのスイッチにてOKの意思を返します。

するとメーター内のステアリングイラスト他の表示がグリーンで描かれます。

しばらくして(数秒後)、ナビゲーションの地図情報と自社の車両走行状況の照会等が終了すると、先ほどのイラストがブルーとなりナビ連動システムが起動したことを示します。

その後は同一車線内においてドライバーが設定した速度を上限に、ハンズオフが可能となる……とのことですので、恐る恐る両手を離してひざの上に置いてみます。

するとスカイラインは拍子抜けするほど自然に、つまりそこまで自分が運転してきたのと同じような動きでステアリングを切りつつ、高速道路を淡々と走り続けてくれるのでした。

前方に遅い車両がいれば自動的に減速もしますし、遅い車両がいなくなればまた設定速度まで復帰しますが、その際の加減速の感じも非常に自然です。

車両に搭載しているカメラやレーダーソナー等のリアルタイム制御技術が高いのはもちろんですが、やはりこの自然さに貢献しているのは地図データとのマッチング/反映でしょう。

実際の車両周辺情報に加え、3Dの高精度地図データを元に勾配やカーブ曲率などを先読みしているからこそ、各種操作に無駄がなく自然な動きが実現できています。

プロパイロット2.0にはこのほか、ルート走行上の分岐時や、追い越しにおける操舵支援も行う機能もあります(こちらはハンズオフとはいかず手を添える必要があります)。この機能も含め、運転支援の制御ぶりは大変ハイレベルで感心する出来。

こと高速道路に限って言えば、本格的な自動運転時代というものが本気でやってくるのだな、と思わせてくれるに十分な仕上がりでした。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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