【最新スカイライン V6ターボモデル】往年の直6時代をほうふつとさせる官能的な加速フィール!

今夏にマイナーチェンジを迎えた日産のDセグメントセダン、スカイライン。この改良タイミングで新規搭載された、ガソリンV6・3Lターボモデルに試乗できましたのでご報告します。

スカイラインの全長は4810mm、全幅は1820mmというたっぷりしたサイズを持っています。全高は1440mmあります。これは前モデルのV36型に対して全高を10mm下げ、全幅を50mm拡げたもの。ロー&ワイドのプロポーションとなっています。

スカイラインサイドビュー

またトランクリッド後端部分には明確なスポイラー形状をもたらすことなどによって空気抵抗を低減し、Cd値は0.26を達成しています。

インテリアでは運転席と助手席のそれぞれを明確に区分けして囲まれ感を持たせた、ダブルウェーブのインストルメントパネルを採用しています。最近では水平基調のインパネが多い中で、このスカイラインのインパネは個性的と言えます。

またセンター部分にはツインディスプレイを配置して見やすさと先進性を表現しました。

前後席ともにシートサイズはたっぷりしていて座りやすいものです。先代モデルのV36型に対して前席の頭上空間は10mm、肩周りのスペースも20mm向上していますので快適に過ごすことができます。

また、Bピラーの根元形状を工夫して後席乗り降りのしやすさをアップさせていることも注目です。

実際に試乗してみます。新規採用されたエンジンVR30DDTT型エンジンは、最高出力が304ps/6400rpm。最大トルクは40.8Kg・m)/1600~5200rpmというスペックを持ちます。

2つ装着されるターボチャージャーは小径サイズとしています。またインタークーラーには充填効率を上げる水冷式インタークーラーを採用するなどしました。

吸気側に採用した可変バルブタイミングシステムや、回転フィールを向上させる鏡面仕上げのシリンダーブロックの採用などによって、非常にレスポンス良く回転が立ち上がります。

発進直後のダッシュ力は相当なものです。さらに高回転域まで強い加速力を保ったまま、1710kgの重量を持つボディを軽々と加速させていきます。

その際、車内には重低音の効いた吸気音と心地よいメカノイズが聞こえてきて、どことなく直列6気筒エンジンを搭載していた頃のスカイラインの趣があります。

ボディには現行のV37型登場時には世界初であった1.2Gパスカル級・超高張力鋼板をメイン骨格に採用しています。

これに組み合わされるサスペンションはフロントはダブルウィッシュボーン、リヤはマルチリンク式となっています。このリヤサスペンションにはアルミ部材を多用して軽量化とサスの動きのスムーズネス向上にも努めています。

また、ステアリングホイールと前輪の操舵機構の機械的結合を解いてバイワイヤ式としている「ダイレクト アダプティブ ステアリング」もV37型スカイラインの見どころです。

これはステアリングの動きを3つのコンピューターが電気信号に置き換え、アクチュエーターを作動させてタイヤを操舵するというもの。車速に応じてギヤ比を変化させ、適正な舵角を与えるほか、荒れた路面によるステアリングを取られる現象をキャンセルして、ふらつきを防ぐと言ったメリットがあります。

今回このダイレクト アダプティブ ステアリングユニットには、試乗したV6ターボ車専用のチューニングがなされています。ステアリング切り始めのレスポンスが向上し、よりスポーティーな走りがしやすくなっていました。

試乗車のスカイラインGTタイプP(駆動方式はFR)の価格は455万4360円です。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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