●3次元から2次元になってシンプル化
ドイツのフランクフルトでは、モーターショーの開幕を翌日に控えてフォルクスワーゲングループの前夜祭がおこなわれました。
その目玉のひとつが、フォルクスワーゲン初の専用ボディを持つ市販車の「ID.3」の公開。後輪駆動のCセグメントハッチバックで、バッテリーは48kWh、58kWh、そして77kWhと3タイプから選択可能。もっともベーシックなモデルは3万ユーロ(約360万円)を下まわって「ゴルフのディーゼル車と同じ」という戦略的な価格です。
さて、そんなID.3の公開に先立ってアナウンスされたのが、フォルクスワーゲンの「VW」と書かれたロゴマークの刷新。「フォルクスワーゲンはID.3から新しい時代に入る」という決意表明ともいえそうですね。
あたらしいロゴは、3次元的だったこれまでと異なって2次元化。かなりシンプルになりました。
フォルクスワーゲンのCEOであるハーバート・ディエス氏はスピーチで「ID.3の登場で我々は新しい時代に入った。これから10年でフォルクスワーゲンはドラスチックに変わる」と宣言。同社のデザイン部門を統括するクラウス・ビショフ氏は「(VW製ディーゼル車の排出ガス不正が発覚した)ディーゼルゲート事件が我々の目を覚まさせてくれた。我々はEVで世界へ切り込んでいく」と説明してくれました。
ID.3の登場はフォルクスワーゲンが電気自動車へ舵を切る大きな転換となるのは間違いなく、ロゴマークの刷新もその変化ひとつと言えそうです。
しかし、そのきっかけはやはりディーゼルゲート事件であることを感じさせるプレゼンテーションでした。
(工藤貴宏)