日産リーフ最大のライバルが登場!? フォルクスワーゲンのEV「ID.3」は、ドイツでは補助金により小型車並の価格に!?【フランクフルトモーターショー2019】

「ID.3」の電気駆動システムは、主にパワーエレクトロニクスとギアボックスを含む永久磁石同期モーターから構成されていて、これらはリヤアクスルに一体化。フラットな高電圧バッテリーは、スペースを節約するためにアンダーボディに効率的に配置されています。さらに、エアコン用コンプレッサーやステアリングラックといった補助ユニットも、フロントエンドにコンパクトに収められています。

フォルクスワーゲン・アイディ.3
電動化車両専用の「MEB(モジュラーエレクトリックツールキット)」プラットフォームを使ったID.3

パワーエレクトロニクスは、モーターとバッテリー間の高電圧エネルギーフローを制御します。このプロセスでシステムはバッテリーに蓄えられている直流電流(DC)を駆動モーター用の交流電流(AC)に変換。12V DC電装システムには、DC/DCコンバーターから低電圧が同時に供給されます。

モーターの駆動力は、1速ギアボックスを介してリヤアクスルに伝達され、モーター、パワーエレクトロニクス、ギヤボックスは、1つのコンパクトなユニットを構成しています。アンダーボディに配置されたバッテリーによって、「ID.3」の重心はレーシングカー並みに低くなり、ニュートラルなハンドリング特性というプラスの効果をもたらすそう。「ID.3」は、理想的な前後重量配分も特徴としており、後輪駆動と組み合わせることによって、優れたパフォーマンスが実現しています。

フォルクスワーゲン・アイディ.3
ID.3のインパネ

充電時間は、100kWの急速充電器の場合、「ID.3 1ST」は、30分間で約290km(WLTPモード)を走行可能なエネルギーを充電することができるそう。これにより、小型車セグメントにおいて、従来よりも大幅に長い航続距離を実現したとしています。「ID.3」に搭載されるバッテリーは、8年間または160,000kmの保証付になります。

フォルクスワーゲン・アイディ.3
ID.3のメーターパネル

EV専用設計モデルらしく、時代を先取りしたデザインを備えながら、広々とした室内空間を確保。ゴルフと同等のボディサイズを備え、同クラスの中でも最も広いインテリアを実現しているそう。なお、ドイツにおける量産モデルのベース価格は、30,000ユーロ未満で、予想される政府補助金(大衆向け電気自動車)が控除された車両価格は、一般的な小型車の価格と同等レベルになるとしています。販売はお膝元ドイツで2020年半ばからとしています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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