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【ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン Rd.9(最終戦) in 鈴鹿サーキット】
チーム名称:FIELD MANAGEMENT RACING
車両名:FIELD MANAGEMENT Cayman GT4
クラス:GT4
ゼッケン:#10
ドライバー:井出 有治
予選:2位(総合12位)
決勝:2位(総合9位)
ベストラップ:2分16秒005(GT4クラス・ファステストラップ)
2019年8月25日に決勝が行われた「2019 第48回サマーエンデュランス『BH オークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース』」(鈴鹿10H)のサポートレースとして、前日24日に行われた「ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン(PSCJ) Rd.9」。
このレースに我がclicccarテストドライバーの井出有治選手が、新チーム「FIELD MANAGEMENT RACING」のドライバー兼アドバイザーとしてGT4クラスに挑みました。マシンは「ポルシェ・718ケイマンGT4クラブスポーツ」。直前のマシン納車、富士スピードウェイでのシェイクダウンテストを経て、そしていよいよレースウィークを迎えました!
FSWでは多少走り込めたものの、GT4というかポルシェで鈴鹿を走るのは初めての井出選手。しかもレース本番を迎えるとなにかしらトラブルに見舞われるのは…ありがちなこと!? これは新チームに対するポルシェからの手痛い歓迎…なのでしょうか!?
■コンピュータ制御に異常あり!【23日・練習走行】
●原因不明!? ウ〜ン、何が起こっているんだろ!?
PSCJは予選・決勝をワンディで行います。前日の23日は練習走行、「FIELD MANAGEMENT Cayman GT4」にとっては初の鈴鹿走行となる貴重な時間です。
しかし「何かがおかしい…コンピュータ制御に異常があるようです」(井出)。ポルシェ・ジャパンのサポートをもってしても走行時間内には原因追及はできず。しかも走行直前までドシャ降り、走行中は時折小雨の降るウェット路面。ドライのFSWからリセッティングしようにも「レインタイヤが初めてだからど〜にもこ〜にも…」(井出)。バタバタとした中、練習走行は終了です。ウ〜ン…。
■市販車に近いマシンだからこその、スイッチ押し忘れに要注意!?【24日・予選】
●0.044秒差!! 予選は惜しくもクラス2番手!
「コンピュータのエラーは直ってました〜!」(井出)、ヨカッタ!! では予選模様を井出選手に聞いてみましょう。
「予選は2回アタックしました。1セット目はコース確認とクルマの確認。タイヤを履きかえて2セット目、タイヤの内圧の上がりをみてアタックし、ラストもう1周!って思った途端、今度は違うコンピュータの誤制御?みたいのが入り始め…。
え〜今度はなんだろーなぁ〜…と思ったら、その原因はすぐに判明しました!
市販車に近い仕様である「718ケイマンGT4クラブスポーツ」は、トラクションコントロールとヨーコントロールをスイッチでON/OFFしなくてはいけないんです。あ、もちろんOFFにするんですヨ。しかも、エンジンを一度切るとそのスイッチがONに戻っちゃうので、エンジンを切る度にスイッチをOFFにしなくてはいけないんです。
で、スイッチONのまま行ってしまったラストアタックのS字で、その制御が勝手に作動して失速。で、アタックできずに予選時間が終了。アレさえなければセクター1だけで予選1位のマシンより0.3秒くらい速かったので、1周にしたら0.5秒くらいはちぎってポール取れたのになぁ〜」(井出)。
え〜っと、そのON/OFFスイッチって、GT4はみんな手動でやっているんですか?
「そうなんだって。ボクはその作業に慣れていなくって…っていうか、普通、レーシングカーでは無い作業だからね。『忘れずにスイッチを押すことに慣れてください!』って言われちゃいました!」(井出)
左前ってコースアウトしました? リップスポイラーが外れかけてましたけど?
「あはは! タイヤ履き替えていったとき、GT3クラスがバンバン後ろから来ちゃって、クリアラップ取るために先に行かしてたら、タイヤの熱入れが不十分で内圧が上がっていなくて、しかもスイッチONだったからヨーコントロールが作動して1コーナーでコースアウト。バレちゃいましたね!」(井出)
さて、いよいよお楽しみの決勝です!
「タイヤの内圧が上がりきる前の最初の2、3周のあいだに多少の動きがあるかな? GT4は抜くのが難しいクルマだと思うので、作戦は最初の1、2周のうちに頑張って前に出て逃げ切り!かな」(井出)
■晴れ&路面ドライ、ちょ〜っと暑いけど絶好の決勝日和!…だったのに(泣)【24日・決勝】
●ボクたちの鈴鹿10H…じゃなく「鈴鹿10L(ラップ)」、ラストスパート!ってところでセーフティカー→ゴールなんて、不完全燃焼デス(泣)
予選は全クラスの11番手、GT4クラスの2番手でローリングからのスタート!
しかし「ストレートが遅い!!」(井出)、原因の分からない、ストレートでスピードが伸びない…という事態が発生!というか判明です。
「なにせボクのマシンは他のGT4と比べてストレートが明らかに遅く、それでもコーナリングで頑張って追い詰めていきました。5、6周目になると前の#19はタイヤがタレ始めたのかミスが多くなり、また後ろの#11は途中で脱落していたので前だけに集中でき、0.6秒差まで追い詰めロックオン!
…と思っていた7周目、GT3-I同士の接触→コースアウトでセーフティカーが入ってしまい、車両撤去と隊列を整えている間に10周…パレードしながらのゴールとなってしまいました」(井出)。
ホント、観ているほうもガックリ…。
「も〜完全な不完全燃焼ですよ。ラスト3周、勝負ドコロだったのに〜。でもね、マシンを綺麗な状態で戻せたの、コレとっても大事です! それにね、結果はクラス2位で残念だけど、『2分16秒005』っていうGT4クラスのファステストラップはボクが出しましたからね!」(井出)
『FIELD MANAGEMENT RACING』のチームオーナー、フィールドマネージメント 代表取締役・並木裕太さんにもお話を伺いました。
「初めてのレーシング事業の今回、新たな山を見つけてしまった感じです。フツフツと『やってやるぞ!』の気持ちが湧いています。今日、もし優勝していたとしても、多分今のほうがその気持ちは強いですね。
それに、ストレートが伸びなかった原因を追究しないといけません。課題を解決しながら2020までのオフシーズンを過ごそうと思います!」(並木)
これまで、トップフォーミュラ、GT含め数々のレース経験をしてきた井出有治選手にとって、このGT4カテゴリーのレースはドライバーレベル的にズルイ!?みたいな声も聞こえました。確かに! しかし今回、井出選手がドライバーとして参加したのは、時間がない中でのマシン・セットアップ、新チームからのアドバイス要請、新チームの勢いづけ!?なんかの要素も大きかったようです。井出選手がPSCJに参加したら、レース自体が注目されますからね!
PSCJのGT4クラスは、ちょっとウデに覚えのある方なら比較的安価にケイマン・ポルシェを楽しめる、2019年6月のRd.5富士戦からスタートしたばかりの新クラスです。現在、井出選手のチーム含め3台のエントリーがありますが、「もうちょっと台数が増えればなぁ〜!」なんて声も聞こえました。
そうそう、マシンの在庫もあるようですよ〜!! お問い合わせはポルシェ・ジャパンまで!
井出有治選手がドライバーとして、アドバイザーとして関わる『FIELD MANAGEMENT RACING』は2020年、新たなチーム体制発表もあるようです。「2020年は未定です〜」(井出)というドライバーは引き続き井出選手が乗るのか?の発表も待ちつつ、新チームの躍進に期待しています!
(文:永光 やすの/画像:H@ty・永光 やすの)
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【関連リンク】
井出有治オフィシャルサイト:yuji-ide.com
https://www.yuji-ide.com/
ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン
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