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■インターネット販売車両とレッドバロンの譲渡車検車両を乗り比べ
見た目は同程度の中古車でも性能差は明らかだった!
●ネットオークションで購入した安い中古車には相応の理由がある!?
近年増加の一途を辿るインターネットのバイク販売。価格の安さにつられたユーザーがトラブルに見舞われるのを防ぐために、新車・中古のバイク販売や中古バイク買い取り・下取りでおなじみのレッドバロンでは、「譲渡車検」というサービスで高品質な中古車を提供しています。
今回はインターネット販売車両と譲渡車検付き中古車を2台×6車種用意。モータージャーナリストのケニー佐川さんが比較試乗して、違いに気づけるかに挑戦してみました!
乗り比べて判定するのはこの方!
ケニー佐川
ライディングスクール「ライディングアカデミー東京」の校長も務める二輪ジャーナリスト。ケビン・シュワンツ・スクールにて元WGP500チャンピオンにも師事するなど、ライテクへの造詣が深く、大小問わずあらゆるバイクを乗りこなす。
舞台はコチラ!
那須モータースポーツランド
(栃木県那須塩原市寺子字坂の上677-1)
全長1.146kmのバイク専用サーキット。レッドバロンによるステップアップ試乗会や外国車試乗会など、様々なイベントを開催中。
●見た目はそっくり同じな中古車2台ずつを乗り比べ!
ケニー佐川はネット販売車両のどこがNGか果たして分かるのか!?
ーー ケニーさん、大変です! レッドバロンから挑戦状が届きました。「インターネット販売車両とレッドバロンの譲渡車検付き中古車をそれぞれ1台ずつ6車種用意したから比較試乗で見極めるべし」と書かれています!
ケニー佐川:ふむ、オークションをはじめとしたインターネット販売車両は、書類の不備やリコールの未実施など、トラブルが多発しているんだよ。一方、レッドバロンが展開する譲渡車検付き中古車は自社開発の『コンピュータ総合診断機ACIDM(アシダム)』により、足周りやフレームに到るまで徹底した検査が行われているからとにかく安心感が高い。その違いを乗って確かめろってことか…。う、う、腕がなるぜ(冷や汗)。
ーー これ、しくじったらケニーさんの面目丸つぶれですね(ニヤニヤ)。
ケニー佐川:うぐぐ、とりあえず行こう!
〜会場に到着〜
ーー うわ~、ちょっと前の人気車や絶版車がたくさん並んでますね。これだけでもウン千万円の価値!
ケニー佐川:また、現金な! でも最近は絶版車もプレミアムが付くほど人気があるため、それにつけこんで不良品を売りつける悪徳業者もいるらしい。さて、見た目で違いは分かるかな?
ーー カラーや年式も同じだし、正直まったく分かりませーん! これじゃあワックスでピカピカに磨いてある方を選んじゃいますよね。
ケニー佐川:そこが陥りやすい罠なんだ。ピカピカほど要注意。大事な部分から目をそらさせる技なんだよ。
ーー 中古車屋では普通は試乗させてくれないけど、跨ってブレーキをかけたり、車両を押し引きしてみれば、だいたいの見当はつきますよね。
ケニー佐川:甘いな。ハッキリ言って、俺のような百戦錬磨のプロでも簡単に見分けることは難しいんだ。人間には自分が信じたいものを信じてしまう心理がある。だから詐欺にも簡単に引っかかってしまうんだ。
ーー たしかに、中古車を安く譲ってもらったことがあったけど、心の中ではいつも不安な感じでした。
ケニー佐川:素性が分からない中古車ならなおさらだよ。その点、譲渡車検付き中古車は、レッドバロン独自の安全基準で8種類もの厳しい検査をクリアしている。彼らが長年培ってきた、バイクに安心して安全に乗るためのノウハウが注がれた中古車なんだ。
ーー それは安心ですね。
ケニー佐川:さて試乗するか。集中力マックスでゾーンに入るから、スマホの電源切らなきゃ。女子からのLINEが溜まっちゃうぜ。
●ケニー佐川の試乗&判定スタート!
【Case.1:ホンダ・エイプ50】
・ケニー佐川の判定『NG車は何かおかしい……。真っ直ぐ走らないんだよな~!』
「フラフラするのが車体のせいなのか、ブロックタイヤの特性なのか、はたまた自分の着座位置がずれているのか……最初はよく分からなかった。決め手になったのは直線での両手放しトライ。僅かながらハンドルが左にとられるのだ。原因を断定するのは難しいが、違いは明らかだ!」
・正解!
実際の不具合箇所は『リヤタイヤが左にずれていた』
「不調車両はリヤタイヤがセンターから左に11.8mmずれて付いていた。ハンドリングの違和感はそのせい。ただ、エイプ50のような原付の場合、元々が軽量でフラフラしやすいため、ちょっとの症状だと見逃してしまいがちだ」
【Case.2:ヤマハ・ジール】
・ケニー佐川の判定『これはすぐ解った! NG車はエンジンが吹けない』
「FZ250フェーザーがベースの水冷直4エンジンはとにかく高回転が気持ちいい。自分もかつて新車で所有していたことがあり、思い入れもひとしおだ。だが、不調車両に乗り換えた途端、回転上昇は鈍いわ、パワーは出てないわ、ダメダメ。これはエンジンがおかしい!」
・正解!
実際の不具合箇所は『バキュームピストンに問題があった』
「昔のキャブレター車にありがちなトラブル。負圧キャブのダイヤフラムが破損していると負圧が十分かからず、スロットルを開けてもバキュームピストンが上がらないため十分な燃料を供給できなくなる。完調な車両を知らないと、最初からこんなものかと思いがち」
【Case.3:カワサキZX-12R】
・ケニー佐川の判定『1台はブレーキに違和感がある気が…』
「かつてカワサキが世界最速の座をかけて送り出したメガスポーツ。1台はフロントブレーキタッチが曖昧で、ココが原因と思い込んでいたがブブーッ。じつはもう1台がアライメント異常ということだった。幾つか難点があると分かりづらくなる好例。悔しい!」
・不正解!
実際の不具合箇所は『リヤタイヤがずれていた』
「リヤタイヤが車体センターから左に21.4mmもズレていると聞き、よく見るとチェーン引きの左右で目盛りが違っていた。パワーのある大排気量マシンでは微妙なハンドリングの違いは分かりづらいが…迂闊だった」
【Case.4:ヤマハWR250R】
・ケニー佐川の判定『リヤブレーキが押し戻される』
「軽量な車体とパワフルなエンジンでトレールモデルの王道を行くWR250Rはアスファルトでは後輪をハーフロックで滑らせて曲がるモタード的な走りも可能。だが肝心のリヤブレーキをかけると『カッ、カッ、カッ』とピストンが押し戻されるような振動が…」
・正解!
実際の不具合箇所は『リヤブレーキディスクが曲がっていた』
「これは明らかにリヤブレーキに異常あり。ジャダーと呼ばれる微振動が生じる理由としては、ディスクローターの歪みが原因だ。しかも今回の車両は割れもあり危険度マックス。オフロード走行で岩などにヒットしたのかな」
【Case.5:ヤマハXJR400R】
・ケニー佐川の判定『NG車はディメンションが合ってない』
「コイツも分かりやすかった。走り出しからハンドルが右に切れようとする。常に逆操舵を当てながら直線を走っている感じだ。前後輪の接地点が車体センターからずれているか、ステムやフォークの歪みが原因の場合が多い。走っていて気持ち悪いし危険でもある」
・正解!
実際の不具合箇所は『ステムベアリングの締まりすぎ等』
「NG車両は直線でもハンドルが少し斜めになっているので見た目で分かりやすい。もうひとつ、倒し込みのリアクションに違和感(怖さ)があったが、これはステムベアリングが強く締まり過ぎていたことが原因だった」
【Case.6:ハーレーダビッドソンXR1200】
・ケニー佐川の判定『NG車はエンジンが不調だ』
「もともと重量車だが動きにキレがなくエンジンもパワーがない。最初に不調車両に乗ったせいか、古いしハーレーだしこんなものかなと思っていたが、好調車両に乗り換えるとエンジンは絶好調、サウンドも弾けていた。これぞハーレーという気持ち良さだ」
・正解!
実際の不具合箇所は『燃調が濃くなっていた』
「マフラーが絞られていてガスが濃くなった、いわゆる『抜けが悪い』状態だ。燃料が薄ければパワーが出にくく、逆に濃すぎても吹けが悪くカブりやすい。特にのんびり派のクルーザーユーザーには分かりづらいかも」
●ケニー佐川の試乗&判定の結果は『6車種中、5台正解!』
「エンジンが不調、真っすぐ走れないなど、明らかな違和感があれば分かりやすいが、微細な場合、慣れてしまうとなかなか分からないし、そのまま乗り続けている場合も多いはず。これぞインターネット販売車の罠と言えるだろう」