■軽自動車の装備を、軽自動車の価格で
●低床設計と高めのシート高はお年寄りや子供にも使いやすい
今は違うけれど昔は軽自動車に乗っていて、「そろそろ軽に戻ってみようかな」という、いわゆる「ダウンサイジング」派は少なくないようです。いっぽう、街でよく見かけるホンダN-BOXをディーラーで試乗してみたら、見た目も内装も立派だし、走りだって静かで快適性は驚くほど高い。それならと見積もりを出してもらったら、乗り出しコミコミで250万円!などという話も耳にします。
新型ダイハツ・タントは、登録車も含めて日本で一番売れまくっているホンダN-BOXと同じ、軽スーパーハイトワゴンにカテゴライズできます。しかし「軽自動車の装備を、軽自動車の価格で」提供することを狙った点で、N-BOXとの差別化を図っているといえます。
軽のスーパーハイトワゴンの市場を開拓したのは、初代ダイハツ・タントともいえるでしょうし、三菱のミニカトッポという人もいるかもしれません。後者は、頭上空間こそ確かに広いものの、空間の有効活用などはできていなかったようにも思えます。
初代タントを軽スーパーハイトワゴンの元祖とすると、過去3代にわたって築き上げていた室内と荷室の高さなどはもちろん、超ロングスライドが可能な運転席による乗降性の向上、安全装備の最新バージョンへの変更など、次世代プラットフォームである「DNGA」でないとできない点が数多く盛り込まれていて、それは福祉車両の設計にも及んでいます。