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急な飛び出しを抑止するなら、ペダルの見張り番IIが有効
データシステム ペダルの見張り番II
近年、特にクローズアップされているペダル踏み間違い事故。ブレーキペダルだと思い込んでアクセルペダルを踏み込んでしまうことによるものです。駐車場からの飛び出し、路地や市街地での急発進から加速し続けてしまうようなケースは、ATなどの2ペダルの車両で、停車からペダルを踏み始める時、前進とリバースを切り替えたあと、極低速(クリープ)走行から停止しようとした時などに起こると考えられます。
こういった踏み間違いを検知して、アクセルペダルの操作をキャンセルし、エンジン回転の上昇を抑えて飛び出しや暴走を防止しようとするのが、オートバックス専売となる「ペダルの見張り番」シリーズ。なかでも今回紹介する「ペダルの見張り番II」は、ペダル操作への感度調整がより細かくなり、一時停止スイッチ機能が装備された扱いやすいモデルです。
では、実際どういったケースで、どのように有効なのでしょうか。
具体的なシチュエーションとその際の動作についてみていきましょう。
アクセルペダルとブレーキペダルの踏み方の違いをみてみよう
どちらもグッと踏み込むシチュエーションは危ない
アクセルとブレーキ、各ペダルの踏み方を考えてみます。
アクセルペダルはその踏み出しから定速走行に入るまでスムーズで穏やかに踏み込んでいくのが基本です。しかし、日常でもグッと踏み込むシチュエーションがあります。高速道路などの合流や、交差点での右折待ちして、対向車が途切れたり、信号が変わってスタートできるシーンでの加速などです。それでも、床まで踏み込むような操作ではないはずです。
では、ブレーキはどうでしょう。緊急時以外でも、低速域での急なブレーキペダル操作は存在します。
たとえば駐車場内などで切り返しているシーン。シフトレバーを「D→R」への操作のためにブレーキペダルを踏まなくてはならない場合など、グッとブレーキペダルを踏むことがあるのでないでしょうか。この時はかなり早い操作スピードとなり、踏み込む力も強いはずです。
アクセルで同様の踏み方をしたらかなりの加速力で飛び出してしまう踏み方と思われます。
低速域での踏み間違いを検知してキャンセル
稼働速度域は10km/h以下でのみ作動
それら低速域での踏み間違い時、アクセルペダルをブレーキペダルのような踏み込み方で操作した際に、「ペダルの見張り番II」が、それらの操作を検知し、スロットルが開くのをキャンセル、クルマの飛び出しを抑止します。
その作動範囲は0-10km/hまで、つまり10km/h以下で急激なアクセルペダルを深み踏み込む操作をキャンセルし、10km/hを超えた範囲で高速の合流などのシーンでアクセルを強く素早く踏み込んでも、影響を与えずアクセルは車両を加速させるサインとなるのです。
アクセルを思い切り踏んでみました
ペダルの見張り番IIで踏み間違い抑止機能を体験!
実際に作動するとどうなるのか、装着された3代目プリウスに乗ってみます。
パワーオンすると、「ペダルの見張り番II」のスイッチボタンが点灯し、監視が開始されたことがわかります。
今回はエンジン回転数の上昇などが確認できたほうが状態を伝えやすいので、エアコンもLOでセットし、できるだけエンジンが始動している状態で試乗をしました。
エンジン回転数はスイッチ上の表示です(表示は126で、実際の回転数は1260rpmとなります)。
ブレーキペダルを踏みつつ、シフトレバーをDレンジに入れたものの、そのままブレーキペダルから足が滑って……。
つるっ!
アクセルペダルに!
慌てているため、ブレーキペダルだと思って、ついそのまま踏み込んでしまいますが……。
プリウスはクリーピングの速度で前進するだけ。
エンジン回転数もプリウスということもあり、上がっても微増する程度です。
前進してはいるものの、微速。慌てずブレーキペダルに踏み変えて、停止することができました。
「ペダルの見張り番II」は5段階の調節と一時停止機能付き
交差点での右左折時はどうでしょうか。
ちょっとあせってアクセルペダルをすばやく動かしてしまうと抑止機能で思ったような加速ができない!という可能性もあります。
このような時のために「ペダルの見張り番」シリーズに装備されている感度調整がいきてきます。
機能をキャンセルするアクセルの踏み込み方を「ペダルの見張り番II」では5段階で調整できるので、自分好みのペダル操作にあわせて調整ができます。
さらに「ペダルの見張り番II」では一時停止機能が付いています。これは、右折タイミングが短い交差点、急角度での坂道発信など、素早く深いアクセル操作が必要なことがわかっている場合に、あらかじめ機能をオフにすることができ、ある程度「意図的な急発進」が可能です。
ただしこの場合も、一度アクセルペダルを離せば次の踏み込みからは機能が自動で復帰するので安心。オンにし忘れて肝心な時にクルマが飛び出してしまったというコトを防げるのです。
自動停止する装置ではないのでブレーキに踏み換えを
今回紹介した、「ペダルの見張り番」シリーズを含め、ペダル踏み間違い時の加速抑止を目的とする装置は、アクセルペダルの危険な操作を検知するコトでアクセル信号をキャンセルし、飛び出しを抑止します。
つまり、抑止機能が稼働した時でも、アイドリング回転でのクリープ走行をするのです。
大事なところですが、代わりにブレーキを踏んでくれて急停止をする……という仕組みはありません。
ですので、最終的にはアクセルペダルの動きが抑止されている間に、正しい動作に復帰する、事故を防ぐなどのために、ブレーキを踏む、エンジン等の出力を切るなどの操作をする必要があります。
稼働した回数を記録するメモリー機能も付属
もう一つの機能として、ペダルの見張り番IIでは、抑止機能が稼働した回数を記録しておくことができます。
スイッチボタンの操作によって、メモリーを呼び出すと、稼働回数分だけ警告音が鳴ります。
本人はもちろん、踏み間違いが心配される高齢者などのクルマに装着した場合に、家族が稼働状況をチェックするといったような使用方法も可能です。
万が一の踏み間違いをフォロー
ペダルの踏み間違いの多くは、適切なドライビングポジション、ペダルの踏み方の確認などで防げる場合もあります。しかし、事故に至るケースというのは、そのスキマのような瞬間に起こるコトも。
そんな踏み間違いを常に監視してくれるペダルの見張り番II。装着しておけば、万が一の踏み間違いをフォローし、安全運転をサポートしてくれるので、普段のドライブも安心とともにできそうですね。
データシステム ペダルの見張り番ⅡAWD-01
ペダルの見張り番シリーズはオートバックス専売。ペダルの見張り番II AWD-01の価格は、工賃込みで4万円+税となっています。
適合車種は国産車で200車種以上。車種によって製品の適合品番が異なり、別売りのアクセルハーネス(4000円+税)とブレーキハーネス(3000円+税)が取り付け時に必要な場合があります。
ペダルの見張り番ⅡAWD-01
データシステム(日本製)
価格:4万円+税(取付工賃込み・オートバックス専売)
注:車種によりアクセルハーネス(4000円+税)、ブレーキハーネス(3000円+税)が必要
急発進防止装置 前後進対応 作動速度:0-10km/h
https://www.datasystem.co.jp/products/awd-01/
※補助金について
この装置の購入・取り付けに際し、自治体からの補助金を受けられる場合があります。東京都の場合で、例えば「都内在住の高齢運転者が、ペダル踏み間違い等による急加速抑制装置としての機能を有する安全運転支援装置を1割の負担で購入・設置できるよう、取扱い事業者に対し、都が当該費用の9割を補助(補助限度額は10万円/台)」(http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/07/12/14.html)などの条件があります。詳しくは各自治体にお問い合わせください。
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