●広いラゲッジに、造り込まれたユーティリティ。
「すごい。こんなに大きく開くよ!」
プジョー3008のガラスサンルーフのスイッチを押した彼女は、何やら楽しそうだ。
そうそう、後席まで開けたガラスルーフながら、ガラスが前後に分かれていて前半部分は電動開閉できるのも自慢だった。
「平らになるんだ!? ゴロンって寝転べるね。」
今度はラゲッジルームで、彼女は楽しそうにそういった。
フランスの人たちって、日本が考えている以上に実用主義なのだろう、と思うことがある。
3008のラゲッジルームはまさにそれ。容量は通常時で520L。後席を折りたためば最大1482Lまで広がる。ミニバンのように荷室の高さがあるから、大きな荷物も積みやすい。
しかし、プジョーの真のこだわりはその先。後席格納が左右60:40分割になっているのに加えて中央部(センターアームレスト部分)だけを貫通できる構造になっているのも実用的。そして驚くことに、後席は背もたれの前倒しに連動して座面も沈み込む構造になっているのだ。
その理由は格納時の後席を低くフラットにするため。後席沈み込み機構を採用するSUVは多くない。後席を倒してみるだけで3008の実用性へのこだわりが見えてくる。
また荷室部分の床は上下調整式になっていて、低くすれば天地高を稼げ、高くすると開口部から倒した後席部分までがフラットになる。3008は後席の床をフラットにすることに徹底してこだわっているのだ。もはや開発エンジニアの執念といっていい。
しかし、3008の凄さはそれだけで終わらない。必要とあれば助手席の背もたれを水平に倒し、そこも長尺物を積むための荷室スペースとして使えるのだ。その際の荷室長は2.5mを超える。
彼女をキャンプに誘ってみようか? いや、ライフセーバーの資格やスキューバダイビングのライセンスを持つ、意外にアクティブ派の彼女。広い荷室に各種ギアを満載して、海へ向かおう! 水着姿の彼女を期待しようか?
荷室に寝転ぶ彼女を見て、そんなことを思った。
(文:工藤貴宏/モデル:鈴菜/ヘア&メイク:東なつみ/写真:ダン・アオキ)