●クリーンなレースでポイント獲得の34号車
6月29・30日にタイ、チャン・インターナショナル・サーキットで開催された「2019 AUTOBACS SUPER GT Round4 Chang SUPER GT RACE」。
SUPER GTでは唯一の海外戦となるタイ。30日に行われた決勝ではModulo勢はどのようなレースを繰り広げたのでしょうか。
GT300クラスの34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3は予選11番手からのスタート。
スタートドライバーは道上龍選手。
予選ではABSの挙動に違和感を覚えながらもQ1を突破し、Q2へ進出を果たしました。それが決勝レースでどう影響が出るのか、気になるところです。
現地時間15時(日本時間で17時)に切られたスタート。 Modulo KENWOOD NSX GT3はポジションを大きく変えることなくオープニングラップを走ります。途中前を走るGT300のライバルがコースアウトし Modulo KENWOOD NSX GT3の直前でコース復帰しますが、 Modulo KENWOOD NSX GT3の道上選手は動じることなくペースを維持していきます。
レース中盤に差し掛かる頃もModulo KENWOOD NSX GT3の順位に大きな変動のないままレースが進んでいきます。
そしてGT500クラスでの30周目にピットイン。大津弘樹選手へと交代してコースへ復帰します。
ドライバー交代の後、しばらくするとGT500クラスでアクシデントが起こりセーフティーカー導入。そのセーフティーカーが解除となると徐々にペースが上がってきたModulo KENWOOD NSX GT3。ストレートでのスピードを活かしつつもコーナーでは今ひとつ入りきっていない印象。
最終的に予選順位と同じ11位でチェッカーをくぐることとなりました。
レース後のインタビューで道上選手は「サーキットサファリとウォームアップ走行でアンダーステア傾向になっていたのでグリッド上でも調整をしてきたのですが、決勝がスタートしてもアンダーステア傾向がまだ改善しない状態でのレースを余儀なくされました。またブレーキがフェード(オーバーヒート)してしまい全く利かない状態で攻めきれなかった」と語ります。
ブレーキについては「選択したパッドの問題があったというよりも冷却の方に原因があると考えられるのですが、GT3の規定でダクトを増やしたりができないのでそれに合わせた対処をしないといけません」とも語ります。
次戦の富士500mileはもっと暑くなりますが?という質問には「800kmという距離なので全く違う耐久性重視のモノを使います。今回は300kmに合わせたパッドだったのですが、団子状態の走行で熱を持った上に摩耗も激しかったようです」と語っています。
SCの後にペースが上がってきた要因について大津選手は「路面の状態とタイヤの摩耗のバランスがいいところで取れていたからだと思います。」と語ります。しかし「ペースは上がってもブレーキの利きは改善されていないのでライバルとの接戦で結局競り負けてしまいました。もっと高いところでバランスが取れていればポイントが取れるところまで上がれたと思います」とも語ります。
しかしブレーキの問題やアンダーステアの問題を抱えながらも諦めずに完走したことは大きな福音をもたらしました。なんと正式結果では終盤で競り合いをしていたライバルがペナルティにより35秒のタイム加算となり順位を落としてしまったのです。
これによりModulo KENWOOD NSX GT3は10位となりポイント獲得となりました。速さだけではなく、クリーンなレースによりペナルティを受けないということも重要な要素なのだということがよく分かるレースとなったのです。