スーパーGTやスーパー耐久で走っている「GT3」は、ルマンに出られない!? GT3とLM-GTEって何が違う?

ここまで大まかにGT3とLM-GTEの違いを列挙してみましたが、ポルシェやフェラーリ、アストンマーティンなどは、なぜ莫大な開発費を掛けてまで両方の規格に対応した車両をそれぞれ制作するのでしょう?

2012年、LM-GTEを運用しているACOも、この両規格を統合して新しいGTカテゴリを設立しようと試みました。ところが、この計画はGT3を運用するSROの猛反発もあり、2014年に断念されています。

理由は端的に言うと、異なる多くのカスタマーのニーズに合わせた多様なGTカテゴリの存在は必要不可欠だということのようです。

低コスト・低価格で開発・販売できるGT3は、多くのメーカーにとってもカスタマーにとっても手を出しやすく、モータースポーツの裾野を広げることに大きく貢献しています。

かたや伝統的なレースであるル・マン24時間は、そもそもエントリーすることが非常に狭き門であり、それ故ドライバーやメーカーにとって出場できる事が世界でも最高の栄誉の一つであることは間違いありません。

このように、この似て非なる2つのカテゴリには、それぞれに違う存在意義があり、こうした出自や存在の意味を考えながらル・マンやニュルを見るとまた、いつもと違ったモータースポーツの楽しみが見つかるのではないでしょうか?

(H@ty)