具体的な車両の違いをざっくりお話しましたが、そもそも運用されているオーガナイザーが違うため、それぞれエントリーできるレースも異なります。
元々、アマチュアドライバー向けのカスタマーカーとして設立された経緯のあるGT3は、いまやSROが主催するブランパンGTシリーズをはじめ、世界各国の大小様々なレースで活躍しています。その中にはもちろん、日本のスーパーGTやスーパー耐久も含まれています。
対してACOの管轄であるLM-GTEは現状、ACOが関わっているル・マン24時間とWEC、そしてELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)とIMSA(International Motor Sports Association)が管轄しているデイトナ24時間とセブリング12時間にしかエントリーすることができないのも大きな違いです。
GT1およびGT2規定が事実上無くなった2011年以降、プロドライバーやワークス系チームが大量流入してきたGT3カテゴリですが、設立された背景もあり、現状では世界選手権にはエントリーできず、マカオグランプリで2015年から開催されているFIA GTワールドカップがGT3カテゴリの最高峰レースとなっています。
なかなか日本では見る機会のないLM-GTE車両ですが、毎年10月に富士で開催されているWEC(FIA 世界耐久選手権 、FIA World Endurance Championship)でのみ、その走りを国内で見ることができます。
ちなみに、北米IMSAで開催されるデイトナ24時間とセブリング12時間には、LM-GTE規格のGTLMクラスと、GT3規格のGTDクラスが設定されていて、世界で唯一この2つの車両規格が混走しています。レクサスRC-F GT3やアキュラNSX GT3はこのGTDクラスに参戦しています。