新型車も開発し、チーム体勢も一新。日野のダカールラリー挑戦が新しい局面に

●ボンネットタイプのATラリーマシンを新投入

世界一過酷なラリーレイドとして知られるダカールラリー。日野自動車は1991年に日本のトラックメーカーとして初参戦しました。1996年〜2002年に創設されたトラック部門の「排気量10リットル未満クラス」では7連覇。2010年〜2018年にかけてはクラス9連覇のという偉業を成し遂げています。

2018年までチームをけん引してきた菅原義正代表が勇退、次男の菅原照仁氏が新たに代表に就任しました。また、今年は従来のキャブオーバー型のラリーマシンに加えて、新たにボンネットタイプのラリーマシンも投入しました。

マシンの詳細については別ページにて紹介しますが、エンジンやシャシーのスペックは同一、キャブを変更することで、重心位置などを最適化しています。また、従来型のキャブオーバーモデルがMT車であるのに対し、新型マシンはATとなるのも特徴です。

1号車のドライバー。左から左から染宮弘和選手、望月裕司選手、菅原照仁選手。

2号車のドライバー。左から鈴木誠一選手、塙郁夫選手、塙雄大選手。

まずはダカールラリーに参戦する前に、テストをかねて7月にシルクウェイラリーに参戦。その際のチーム体勢は従来型1号車にはドライバーに菅原照仁選手、ナビゲーターに染宮弘和選手と望月裕司選手が乗車、新型2号車にはドライバーに塙郁夫選手、ナビゲーターに塙雄大選手と鈴木誠一選手と1台3名乗車という布陣となります。3名としたのは、トラブル時などの対処をより迅速に行うためだとアナウンスされました。

左から1号車のドライバーの菅原照仁選手、日野自動車会長の市橋保彦氏、2号車ドライバーの塙郁夫選手。

この7月のシルクウェイラリーで得られたデータを元に、マシンをリフレッシュし、ドライバー&ナビゲーターの組み合わせも見直したうえで、ダカールラリーにも参戦する予定となっているとのことです。

(文/写真・諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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