●販売店装着の純正用品として取り付け可能な「踏み間違い加速抑制システム」
以前お伝えしたように、ブレーキと思い込んでアクセルペダルを踏み続けて事故に繋がる事例が社会問題化しています。こうしたペダル踏み間違いを防ぐ装置は作動条件に制限があるものの、現時点では有効な対策のひとつなのは間違いありません。
トヨタは、2018年12月から既販5車種を対象とした後付けの踏み間違い加速抑制システムを、2019年内に順次12車種まで拡大し、販売を開始する予定と発表しました。
なお、この「踏み間違い加速抑制システム」は、販売店装着の純正用品として現在の愛車に取り付けることが可能。対象車種は、6月3日にポルテ、スペイド、ウィッシュの3車種に設定を拡大、さらに10月にはカローラアクシオ、カローラフィールダー、パッソ、12月にはヴィッツにも設定を拡大する予定としています。
トヨタでは「交通事故死傷者ゼロ」に向けて、新型車には歩行者事故や追突事故などの被害軽減に効果が見込める「Toyota Safety Sense(TSS)」と、駐車場などの低速時での衝突被害軽減に効果が見込める「インテリジェントクリアランスソナー(ICS:パーキングサポートブレーキ/静止物)」などを設定・展開しています。
一方、現在保有されているクルマには、「後付けの踏み間違い加速抑制システム」の展開を順次進めることで事故低減を図るとしています。
同社では、駐車場などでのブレーキとアクセルのペダル踏み間違い事故は、75歳以上の高齢ドライバーが高い傾向(出展:交通事故総合分析センター 2018年2月発行 ITARDA INFORMATION 交通事故分析レポート No.124)にあり、その対策として、ICSの展開に加えて、「後付けの踏み間違い加速抑制システム」の対象車種の拡大を順次推進。
「踏み間違い加速抑制システム」は、ブレーキ制御を行わないなど、ICSの機能とは同等ではありませんが、ブレーキと間違えてアクセルを強く踏み込んでしまった際に、加速を抑える(道路状況、車両状態、天候状態によっては、作動しない場合があります)など、衝突被害軽減に貢献する可能性があります。
同システムは、車両前後に装置された超音波センサーにより、前方または後方約3m以内にある壁などの障害物を検知し、ブザー音で注意喚起。それでもブレーキと間違えてアクセルを強く踏み込んでしまった際には、加速を抑制し、衝突被害の軽減に貢献します。
また、後退時は、障害物を検知していない状態でも、約5km/h以上でアクセルを踏んだ場合、速度が出過ぎないよう加速を抑制します。踏み間違い加速抑制システムの価格は55,080円(車両装備・装着品により追加費用が必要となる場合がある。価格に、取付費など諸費用は含まれません)です。
(塚田勝弘)
【関連リンク】
踏み間違い加速抑制システム(トヨタ自動車WEBサイト)
https://toyota.jp/sapotoyo/commentary/sapotoyoplus/kasoku_yokusei_system/