「プライム ライフ テクノロジーズ」の主な事業は、メーカーノウハウを使った省人化、自動化による「建設」の競争力向上、「住宅」はトヨタホーム、ミサワホーム、パナソニックホームズのバックヤードの共通化、「街づくり」として、マネジメント・サービスの高度化による「競争力の低い土地」の高付加価値化を掲げています。「競争力の低い土地」では、自動運転の実証実験なども想定されるはず。また、日本からパートナー連携で海外展開も想定しているそうです。
パナソニックの北野 亮専務執行役員は、具体的な街づくりのありようについては、今後に期待をしてくださいとしています。
一方のトヨタは、「e-Palette」を活用し、限界集落などの移動手段がなくなりつつある人にモビリティを提供し、さらには、移動販売車がやって来るなど、「モビリティサービスプラットフォーマー」としての事業を推進していく構え。トヨタの強みは、「e-Palette」という「MaaS」専用自動運転EVがあり、スマートシティそのものを作ることで、新しいモビリティ社会である「MaaS」でリードしたいという思惑があると思われます。
こうした、トヨタが推進するモビリティサービスへの取り組み、パナソニックが進める「くらし」のアップデートへの取り組みを融合させつつ、街全体での新たな価値の創出が合弁会社設立の目的。MaaSでは、鉄道会社も積極的に推進していますが、トヨタとパナソニックは、鉄道会社に頼らない街づくりも狙いなのでしょう。
両社は、家電や住宅設備などの急速なIoT化や、モビリティにおける「CASE」、クルマ、公共交通などの移動手段をITでつなぎ、サービスとして提供する「MaaS」などの進展により、今後急速な変化が進むと考えられる街づくり事業の成長、発展を模索しつつ、人々のより良い暮らしの実現を目指すとしています。
(文/写真 塚田勝弘)