2019年4月24日、トヨタはマークXの生産終了をアナウンスしました。1968年にルーツとなるマークIIが登場して以来、50年以上アッパーミドルセダンの人気モデルとして君臨したマークXの歴史は2019年12月で終了となります。
生産終了に併せて、マークXには特別仕様車の250S“Final Edition”と250S Four “Final Edition”を設定し販売します。この特別仕様車の外観はスパッタリング塗装の18インチアルミホイール(2WD車)をはじめ、ダークメッキのフロントバンパーモールを採用し、洗練された上質感を演出。
内装にはブラックとレッドを配色したアルカンターラ+合成皮革シート表皮とレッドを配色したソフトレザードアトリムを採用。さらに、本革巻き4本スポークステアリング、シフトブーツ、インサイドドアグリップ、フロントコンソールボックスなどにレッドステッチを施してスポーティな印象を強調しています。
ボディカラーホワイトパールクリスタルシャイン、シルバーメタリック、プレシャスブラックパールの全3色を設定。また、駐車時の接触や衝突の回避に貢献する「クリアランスソナー&バックソナー」を標準装備し、安全性能の充実を図っています。
80年〜90年代はハイソカーとして人気を誇り、2000年以降はドリフトのベース車として注目を集めたマークX、マークII。最新の中古車事情を見てみましょう。現在、マークII(ハードトップ系)の中古車は315台、マークXは1631台の中古車が流通しています。
さすがに、マークIIの初代モデルの中古車は流通していませんが、2代目はわずかに1台あり、約150万円です。3代目になると、グッと流通台数が増えて5台あり、価格応談を除くと価格帯は128万〜286万円で国産旧車の人気の高さがわかります。逆に60型と呼ばれる4代目は人気がないせいか、わずか2台で価格帯は89万〜198万円となっています。
70型と呼ばれる5代目からは名称が従来のトヨタ・コロナマークIIからトヨタ・マークIIへと変わりました。このモデルから中古車の流通台数は二桁となり、価格帯は45万〜198万円となっています。1988年に登場した6代目の80型は流通台数が21台で価格帯は27万〜178万円です。
ツアラー系というスポーティグレードを設定した7代目90型の流通台数は15台でそのほとんどが2.5Lターボエンジンを搭載したツアラーV。価格帯は25万〜205万円となっています。そして現在もドリフト競技で活躍しているのが、1996年に登場した100系と呼ばれる8代目です。中古車の流通台数は74台あり、その半数以上がターボエンジンを搭載したツアラーVです。価格帯は3万〜350万円で高額車はドリフト用にチューニングされたクルマです。
マークIIとして最後のモデルとなったのが2000年に登場した110系と呼ばれるモデルです。人気の高いツアラー系が廃止され、iR系という名称に変わりました。中古車の流通台数はグンと増え、マークIIの中古車の半数以上となる160台となっています。価格帯は9万〜308万円で、150万円以上の物件は2.5Lターボエンジンを搭載したiR-Vをベースとしたチューニングモデルが中心です。
マークIIとして通算10代目モデルは2004年に登場し、名称をマークXへと変更しました。先代モデルのマークXの中古車の流通台数は約560台と豊富で、価格帯は10万〜120万円です。最多グレードは250Gで約180台、続いて250G Sパッケージと250G Fパッケージが約70台で続いています。ターボ車が無くなったので100系や110系のように高額なカスタムモデルが見当たりません。
そして、2009年に登場した現行型マークXの中古車は1000台という豊富な流通台数を誇ります。価格帯は約27万〜約450万円で、高額車にはカスタマイズカーのGRがズラッと並んでいます。
貴重なFRセダンのマークXですが、ターボエンジン搭載車は高値安定傾向となっているものの、そのほかは順調に値落ちしています。
年内いっぱいで販売終了となるマークX。絶版車となった後は貴重なFRセダンだけに、どのように中古車相場が動くのかチェックしていく必要がありそうです。
(萩原文博)