1990年(平成2年)も平成元年に負けないほど、素晴らしい国産車が登場しています。天才タマゴと呼ばれたトヨタエスティマをはじめ、欧州車の乗り味と評された日産プリメーラ、そして3ローターエンジンを搭載したユーノスコスモ。そして電子デバイス満載のGTカー・三菱GTOが登場しました。この年の1台として取り上げるのはホンダ・NSXです。
1990年9月に販売開始された初代NSXは当時の市販車として、世界初オールアルミモノコックボディを採用。3LV6DOHCVTECエンジンを運転席後方に横置きしたMRの駆動方式を採用し、リアにトランクスペースを確保したジャパニーズスーパーカーです。
最高出力280psを発生するV6エンジンには5速MTと4ATが当初組み合わされていました。最初はクーペだけでしたが、タイプTと呼ばれるタルガトップを追加。また究極の走りを実現したタイプRも登場しています。
初代NSXの中古車の現在の流通台数は81台。3カ月前は62台だったので増加傾向となっています。平均価格は3カ月前の約635万円から 一旦600万円付近まで値落ちしましたが、その後は上昇に転じて現在は約630万となっています。中古車の平均走行距離は約6.2万kmから約5.7万kmまで減少しているので、走行距離の少ない中古車が増えていると考えられます。
初代NSXの中古車価格帯は約330万〜2160万円(応談を除く)1000万円を超えるクルマの中には走行距離1万kmという物件もあります。グレードはほとんどが前期型のスタンダードモデルで、3.2Lへと排気量がアップした中・後期型はわずか12台しかなくレアモデルとなっています。
(萩原文博)