ジムニーの導入も決定。コンパクトモデルのみで独自の世界を作り上げるスズキ【バンコク・モーターショー2019】

●導入が決定したジムニーの価格はなんと590万円!?

3月下旬、タイ王国バンコク郊外で開催されたバンコクモーターショーでのスズキブースでの模様です。メインステージにはエルティガとジムニーが展示されました。

日本では軽自動車でその名を轟かせているスズキですが、軽自動車は基本的に日本独自の規格なので海外では展開されません。とはいうものの、やはり本命はコンパクトなモデルです。スズキは世界中でコンパクトなモデルを売っています。スズキに限らず軽自動車がそのまま売られることはまずありませんが、軽自動車ベースのモデルが販売されることはよくある話です。

今回のバンコクモーターショーで、スズキはジムニーを発表しました。ジムニーというネーミングではありますが、搭載されるエンジンは1.5リットルでボディにはオーバーフェンダーが装着されます。つまり日本で言うところのジムニーシエラです。

驚くべきはその価格、もっともリーズナブルなMTのモノトーンボディで158万バーツ(約554万円)、もっとも高価なATのツートンボディは168万バーツ(約590万円)という高級品です。日本でのシエラの価格は約170万円~200万円程度で、ツートンボディが4万円アップ程度ですから、タイでの高価さには驚くばかりです。

高い理由はジムニーは日本製造の輸入車だからです。タイでは国内の自動車産業を守るために、ASEAN外の輸入車には高い関税がかかります。

メインステージのもう1台の車種、エルティガはASEAN圏内のインドネシア製で製造される3ラインシーターで、日本的な言い方をすればミニバンです。全長は4395mm、全幅は1735mm、全高は1690mmで比較的コンパクトな部類となります。搭載されるエンジンは1.4リットルで、最高出力は105馬力・最大トルクは138Nmです。

 

そのほかスズキは日本でもおなじみのコンパクトハッチのスイフトに加えて、Cセグメントセダンのシアズ、スイフトよりもコンパクトなセレリオなども展示されていました。

インド製造のセレリオには2気筒ディーゼル版が用意され注目を浴びていますが、タイのモデルは国内生産で現状では1リットルガソリンのみの設定となっています。

(文・写真:諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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