アジアのMPVはこれだ! ピックアップベースの三菱・パジェロスポーツが愛されるワケ【バンコク・モーターショー2019】

3月下旬、タイ王国バンコク近郊で開催されたバンコクモーターショーの会場で、三菱自動車のピックアップベースの3ラインシーター「パジェロスポーツ」に試乗しました。試乗コースは舗装された広場の特設コースです。

パジェロスポーツは三菱自動車のピックアップトラックであるトライトンをベースに、スタイリッシュなMPVボディをまとったモデルです。全長は4785mm、全幅は1815mm、全高は1805mmとなります。最低地上高は220mmとなり、かなりのラフロードでもものともしない数値を得ています。

ホイールベースは2800mmにもなり、そこに3列シートを組み合わせて7名の乗車定員を実現しています。全高は1800mmを超えますが、フレーム付きのボディのため乗車位置が高くなるので、日本のミニバンのような開放感のある室内ではありません。サードシートは大人が乗るとちょっと窮屈かもしれませんが、家族で乗るときには小さな子供がこの席になるでしょうから、実用性には大きな問題は起きないでしょう。

搭載されるエンジンは2.4リットルのディーゼルターボです。178馬力、430Nmのスペックは2トン強のボディを力強く加速します。組み合わされるミッションは8速のATで、ステアリングコラムに取り付けられたパドルスイッチでマニュアル操作も可能です。

スタートラインからアクセルを急激に踏み込むと、発進からしっかりとしたトルクが路面に伝わり、強い加速が得られます。駆動方式はスーパーセレクト4WDです。基本ポジションはフルタイム4WDで、燃費を稼ぐためのRWD、オフロードで高い性能を誇るセンターデフロックのハイ&ローの計4モードが選べます。

ピックアップベースであるため、ロールは大きめですが、ロール剛性は高いタイプです。オンロードとオフロードの走りを両立する必要のあるモデルなので、このロールの大きさは許容範囲です。タイの山岳部は日本では想像できないほどのオフロード性能が求められます。パジェロスポーツはそうした状況にもしっかりと対応します。

ピックアップトラック並の悪路走破性を備えながらも、高級感あふれるインテリア&エクステリアを実現しているのがパジェロスポーツ。まさに世界のあらゆる地域に対応するモデルなのです。

(文:諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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