ハート形マフラーからチタン製ハンドルまで…合志技研工業の技術力に脱帽【モーターサイクルショー注目TOPICS】

■ホンダの純正パーツの設計から製造まで担当。だからこそ半端なモノは作らない!

「合志技研工業」と聞いて、はたして何人の読者が「あぁ、あの企業ね!」とお分かりになるだろうか? 同社は熊本県合志市に拠点を置く企業……と、ここで「熊本県」ということでピンときた読者も多いはず。そう、合志技研工業は、おもにホンダの純正マフラーやフレームを設計から試作、製造、組立までを行なっているメーカーです。

今回、モーターサイクルショーに初出展とのことで、その技術力を惜しみなく展示していました。

ブースでは同社が誇る高品質な純正パーツを多数展示。ゴールドウイングのマフラーやCBR1000RRのスイングアーム、さらにマフラーに使用するメタルキャタライザーなどを展示。ホンダのブースで見られるようで意外と見られない……そんなパーツをじっくりと見学できるのは、貴重な体験といえるでしょう。

さらに今回は「合志技研工業の技術を結集したカスタム車両」を製作。完成したデモマシンを展示していました。

1台目はCB1100EXで、ネオレトロスのスタイリングを活かし、カフェレーサースタイルにカスタム。ナロータンクはエンジンの存在感をアップさせ、ハンドルバーには懐かしい「コンドルハンドル」を採用。ちなみにこのハンドルはなんとチタン製! 自由な発想と高い技術力の融合によるハイエンドカスタムに脱帽です。

マフラーは直列4気筒をアピールする4本出しとなっています。クラシカルな懐古主義ではなく、サイレンサーにスポーティーなデザインを採用している点にも好感が持てます。マフラーエンドから内部を覗く限り、しっかりした消音も期待できそう。ぜひ、排気音も聞いてみたかった!

もう1台のカスタムマシンはスーパーカブ50。可愛さを重視して製作したということで、ピンクが眩しい1台です。こちらはCB1100EXに比べてオリジナリティーは控えめだなぁ……なんて思っていたら!?

なんとマフラーがハートの形!! その仕上がりは当然、純正採用されていてもおかしくないようなクオリティーです。これは本当にぶったまげました!

他にもサイドカバーにハートのデザインが施されています。これもプレスの深絞りのノウハウが注入されていて、簡単に作れるものではないそう。

CB1100EXもスーパーカブ50も非常に高いクオリティーで、このまま特別仕様として発売できるんじゃないかと思えるほどでした……って、普段は純正パーツを製作しているのですから、当たり前といえば当たり前なんですけどね。

他にも同ブースではVR体験ができるコーナーもありました。合志技研工業がある熊本県のツーリングスポットを回れる「ツーリングコース」と、オフロードコースを走る「モトクロス体験コース」が用意されていて、首都圏のライダーがなかなか行くことのできない熊本の町並みや、大ジャンプありのモトクロスコースを体験することができました。

技術を見せるだけでなく、来場者が遊べる工夫もしてくれた合志技研工業のブース。初出展にも関わらず大勢の来場者の興味を惹き、おおいに盛り上がっていました。

(文:佐賀山敏行/写真:星野耕作)